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抗生剤の服用で2型糖尿病リスクが上昇する?
2015年08月
 抗生剤を服用すると2型糖尿病の発症リスクが上昇する可能性が、新しい研究で示された。しかし、この関連性は、2型糖尿病患者では、糖尿病と診断されるだいぶ前から感染症リスクが上昇し、抗生剤を処方する必要性が高まることによるものとも考えられるという。

 研究を行ったデンマーク・ゲントフテ病院糖尿病研究センター/コペンハーゲン大学のKristian HallundbaekMikkelsen氏らは、「2型糖尿病患者では、糖尿病のない人に比べて抗生剤が過剰に処方される傾向があり、こうした傾向は、糖尿病と診断される15年前から診断後にも続けてみられることが多い」と述べている。なお、今回の検討では、抗生剤の服用と2型糖尿病の間に直接の因果関係は証明されていない。

 詳細は、「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」オンライン版に8月27日に掲載された。

 この研究は、2型糖尿病患者約17万人と、年齢・性が一致した健康な対照群の約136万人を対象とした症例対照研究で、3種類の患者登録レジストリーのデータを用いて、1995〜2012年における抗生剤の処方量を推計した。

 その結果、抗生剤の年間処方量は、糖尿病の患者では平均で0.8回だったのに対し、対照の健康な人たちでは0.5回と両者には差がみられた。また、抗生剤の処方量が、処方がなし〜1回だった人に比べて、5回以上の人では、薬剤の種類にかかわらず、糖尿病と診断される率が50%高まっていた。

 また、ペニシリンVといった狭域スペクトルの抗生剤では、広域のものよりも糖尿病発症リスクがやや上昇した。

 Mikkelsen氏は、糖尿病リスクが上昇する機序は不明としつつも、(1)糖尿病を発症するまでの長期間に感染症のリスクが上昇し、抗生剤を服用する必要性が高まる可能性、(2)度重なる感染症への罹患が糖尿病リスクを高める可能性、(3)抗生剤への曝露が糖尿病発症リスクを高める可能性−について言及している。

 また、動物実験では、抗生剤は腸内細菌叢に変化をもたらし、糖代謝や脂肪の代謝に影響を及ぼす可能性が示唆されていることから、同氏は、「ある種の腸内細菌が、糖尿病患者にみられるような糖代謝障害に寄与する可能性が考えられる」と述べている。

 米レノックスヒル病院(ニューヨーク市)体重管理センター長のMaria Pena 氏は、「この知見は驚くべきものではなく、糖尿病発症において、腸内細菌叢と抗生剤の役割についてはこれまでも推論されてきたものだ」と指摘。糖尿病になる人は遺伝的に感染症にかかりやすい傾向があったり、感染症が腸内細菌叢などに変化をもたらし、肥満につながる可能性などを挙げつつ、「抗生剤の服用には注意を払い、医師に勧められたときだけに限るべきだろう」と助言している。

Antibiotics Linked to Type 2 Diabetes Risk

[2015年8月27日/HealthDayNews] Copyright© 2015 HealthDay. All rights reserved.

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