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就寝時の降圧薬服用で2型糖尿病リスクが低下する
2015年09月
 降圧薬を服用するタイミングが、2型糖尿病を発症するかどうかに大きな影響を及ぼすという研究結果が、スペインの研究者らにより報告された。これによると、朝ではなく、就寝前に降圧薬を服用すると睡眠中の血圧が低下し、2型糖尿病発症リスクが半減することがわかったという。

 高血圧患者には、昼間の血圧よりも夜間の血圧が高い「non-dipper型」が多くみられる。今回の研究グループは、最初の研究で、このnon-dipper型の高血圧患者では、睡眠時に血圧が正常値まで下がる人に比べて2型糖尿病発症リスクが高いことを、続く研究で、睡眠時の平均収縮期血圧(SBP)値が1標準偏差(SD)下がると糖尿病の新規発症リスクが30%低下することを見いだしていた。

 これらの研究を主導したスペイン、ビーゴ大学医学部教授のRamon Hermida氏は、「今回の前向き研究は、2型糖尿病の予防に“睡眠時の降圧治療”という有効な方法があることを示している」と述べている。

 高血圧と糖尿病の発症には、アドレナリンやアンジオテンシンなどのホルモンが共通して重要な役割を果たしている。なかでも、アンジオテンシンは血管収縮作用により血圧を上昇させるほか、肝臓からのグルコース放出増大に関連し、インスリン抵抗性を下げる作用がある。同氏らの検討でも、アンジオテンシンを標的としたARBやACE阻害薬、β遮断薬の就寝時服用が2型糖尿病リスク低下と関連していることがわかった。

 そこで、同氏らは、糖尿病既往のない高血圧患者約2,000人を、すべての降圧薬を起床後の朝に服用する群と就寝時に服用する2群にランダムに割り付け、比較検討する臨床試験を行った。平均6年の追跡期間中、171人が2型糖尿病を発症した。

 その結果、就寝時に服用する群では、起床後に服用する群に比べて睡眠中の血圧が有意に低下していた。また、「non-dipper型」の患者の割合も、朝服用群の52%に対し、就寝時服用群では32%だった。

 複数因子を調整後の解析により、就寝時に服用する群では、朝服用する群に比べて2型糖尿病発症リスクが57%低下し、とくに、就寝時にARB、ACE阻害薬、β遮断薬を服用するとそれぞれ61%、69%、65%リスクが低下していた。この知見は、「Diabetologia」オンライン版に9月23日掲載された。

 この結果を受け、同氏は、「起床後ではなく就寝時に降圧薬を服用すると、睡眠中の血圧管理が改善され、2型糖尿病発症リスクが大きく低下する」と結論。また、これまでの研究で降圧薬による2型糖尿病予防効果が示されなかった理由として、同氏は、「朝の服用が指示されていたためかもしれない」と指摘し、「降圧薬治療の理想的な時間帯は夜間である可能性が考えられる」と述べている。

Taking Blood Pressure Drugs at Night May Help Prevent Type 2 Diabetes

[2015年9月23日/HealthDayNews] Copyright© 2015 HealthDay. All rights reserved.

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