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ある遺伝子変異で糖尿病への高蛋白食の効果が高まる
2015年09月
 糖尿病患者が高蛋白食を摂取すると、標準蛋白食と比べて減量効果は同等だが、ビタミンD代謝関連遺伝子の変異によってインスリン改善効果が高まる可能性が、新しい研究で示された。

 米アルバートアインシュタイン医科大学(ニューヨーク市)助教授のQibin Qi 氏らによる研究では、血中ビタミンD濃度を上昇させる遺伝子変異をもつ2型糖尿病患者が高蛋白食を摂取すると、インスリン産生量が大きく減少し、インスリン感受性が改善することがわかった。

 この知見は、「Diabetologia」9月29日オンライン版に掲載された。

 ビタミンDは骨の形成に深く関与しているが、その他にも細胞の成長を助け、免疫力を高めるなど幅広い働きをもつ。過去の研究で、血中ビタミンD濃度が低いと2型糖尿病などの慢性疾患リスクと関連することが指摘されている。

 今回の研究では、過体重および肥満の成人645人を対象に、高蛋白食群、標準蛋白食群をそれぞれ低脂肪群と高脂肪群の全部で4つの低カロリー食群に分けて2年間観察した。1日摂取カロリーにおける蛋白質の割合は、高蛋白食で25%、標準蛋白食で15%とし、脂肪についてはその割合を低脂肪食で20%、高脂肪食で40%とした。

 その結果、すべての群で平均3.6〜4.5kgの減量がみられ、4群間で差は認められなかった。また、ビタミンD代謝関連遺伝子変異の違いによる減量効果への影響も認められなかった。

 しかし、インスリンについては、この遺伝子変異の違いが大きく影響するようだった。同氏らによると、今回検討したDHCR7遺伝子は体内でのビタミンD合成を助けるもので、対象者の多くはこの遺伝子のT変異体コピーを少なくとも1つ有していた。

 この変異体は血中ビタミンD濃度を上昇させることがわかっているが、今回、このDHCR7遺伝子にT変異があると、標準蛋白食群に比べて高蛋白食群でインスリン濃度が著明に改善し、T変異体をもたない人に比べて高蛋白食への応答も優れていることがわかった。

 Qi氏は「ある種の魚や栄養強化された乳製品などの高蛋白食品はビタミンDの良質な摂取源であり、T変異体をもつ人は、もたない人に比べてこれらの食品からビタミンDを効率よく吸収している可能性がある」と指摘。「血中ビタミンD濃度が高いほどインスリン感受性は改善するかもしれない」と述べている。

 同時に、同氏は、今回の研究では、対象者の血中ビタミンD濃度が測定されていない点や、高蛋白食の長期的な影響に触れられていないなどの限界があることを認めている。

 米レノックスヒル病院(ニューヨーク市)体重管理センター長のMaria Pena 氏(今回の研究には参加していない)は、「結局のところは、バランスのよい食生活が最も重要だといえる」と述べ、ビタミンD摂取については、食事やビタミン剤から推奨量を確実に摂取するようアドバイスしている。なお、ビタミンDの1日摂取推奨量は年齢でやや異なるが、米国政府によると1日600IDとされている。

Higher-Protein Diet May Help Some With Type 2 Diabetes

[2015年9月29日/HealthDayNews] Copyright© 2015 HealthDay. All rights reserved.

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