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ピオグリタゾンが脳卒中の再発予防に有効な可能性
2016年02月
 脳卒中の再発予防に、チアゾリジン系の糖尿病治療薬であるピオグリタゾンが有効である可能性が、新しい研究で報告された。

 抗凝固療法や高血圧、脂質異常症の管理といった標準的な脳梗塞治療に加えてピオグリタゾンを併用すると、プラセボを投与した場合に比べて脳卒中の再発率が24%低いことがわかった。

 この研究は米国立衛生研究所(NIH)の助成で実施されたもの。詳細は、「New England Journal of Medicine」オンライン版に2月17日掲載され、2月17〜19日に米ロサンゼルスで開催された国際脳卒中会議の年次集会で報告された。

 「ピオグリタゾンは、脳卒中再発予防の新たな治療選択肢になる可能性がある」と、研究を主導した米イェール大学医学大学院(コネチカット州)教授のWalterKernan氏は述べている。

 同氏らは、約4,000人の脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)を発症した患者を、標準治療に加えてピオグリタゾンを併用する群とプラセボを投与する群に割り付けて比較検討した。糖尿病はないが、インスリン抵抗性を有する患者を対象とした(なお、ピオグリタゾンの日本での適応症は2型糖尿病である)。

 約5年間の追跡期間中、致死的または非致死的な脳卒中あるいは心筋梗塞の発症率は、ピオグリタゾン群は9%、プラセボ群では12%であった。また、糖尿病の発症率はそれぞれの群で4%、8%だった。

 ピオグリタゾンが脳卒中の再発を予防する機序は不明だが、Kernan氏は、同薬の炎症抑制作用やインスリン抵抗性改善作用、体脂肪の増加を防ぐ作用が血管機能に良好な影響を及ぼす可能性があるとしており、「脳卒中や心筋梗塞に対する予防効果の背景にはこれらの作用機序が考えられる」と述べている。

 また、同氏は、インスリン抵抗性が脳卒中の発症に関与している可能性についても言及しており、「今回の知見は、インスリン抵抗性が脳卒中予防の重要かつ新たな治療標的であることのエビデンスとなるものだ」と述べている。

 ただし、今回の研究で、ピオグリタゾンを併用した群では、プラセボ群に比べて体重が平均で約4.5kg増加したほか、足や踵の浮腫、外科手術や入院を要する骨折の発生率が高いこともわかった。そのため、同氏は「脳卒中予防を目的にピオグリタゾンを投与するべきか否かについては、今後さらなる検証が必要だ」と付け加えている。

 米ロングアイランド・ユダヤ人医療センター(ニューヨーク州ニューハイドパーク)のRichard Libman氏も、今回の知見は脳卒中の予防に新たな道を開くものだとしつつも、ピオグリタゾンを脳卒中予防のために広く用いるには時期尚早だと強調している。

Diabetes Drug May Help Prevent Second Stroke: Study

[2016年2月17日/HealthDayNews] Copyright© 2016 HealthDay. All rights reserved.

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