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失神既往者で自動車事故リスクが倍増する
2016年02月
 失神の既往歴がある患者では、自動車事故の発生頻度が一般住民に比べて約2倍に上ることが、「JAMA Internal Medicine」オンライン版に2月29日掲載の論文で報告さ れた。

 「今回の知見は、自動車運転に関する政策に大きな課題を提示するものだ」と、研究を主導したデンマーク、コペンハーゲン大学Gentofte病院のAnna-Karin Nume氏は述べている。

 なお、この知見では自動車事故の原因までは明らかにしておらず、失神既往と自動車事故の因果関係を示すものではないとしている。しかし、失神の既往歴があると、運転者が運転中に意識を消失する危険性が高いことを、同氏らは指摘している。

 失神既往がある患者の3人に1人は、3年以内に失神を再発するという。米国では、失神既往患者の運転に関する法規制は州によって異なる。米国糖尿病協会(ADA)によると、ワイオミング州では、意識消失の原因となる疾患を有すると医師が判断した場合、その人の運転免許は取り消される。一方で、カリフォルニア州では、失神が1回限りのものか再発の可能性があるものかで規制が異なっている。

 今回の研究では、2008〜2012年に初回の失神を起こした成人男女4万1,000人強(平均年齢68歳)を追跡し、一般住民集団420万人(平均年齢45歳)と自動車事故の発生率を比較した。

 年齢などの因子により調整後の解析で、失神既往患者の自動車事故の発生率は、一般集団に比べて2倍であることがわかった。18〜69歳の自動車事故発生率は、一般集団では5年間で5%であるのに対し、失神既往患者では8%だった。

 ただし、今回の研究では、年齢や健康状態も重要であることが示唆されており、失神既往患者群では37%が70歳以上で、3分の1 は心疾患を有していた。一方で、一般集団では70歳以上は13%、心疾患の保有率は10%だった。失神既往患者群では、糖尿病やアルコール依存症、抗不安薬の服用率も高かった。

 「失神を引き起こす疾患のうち、どの疾患が自動車運転時に危険度が高いのかは今回の研究では示されていない」と、付随論説の著者の1人、臨床評価科学研究所(カナダ、トロント)のDonald Redelmeier氏は述べている。なお、失神既往の有無にかかわらず、「運転時の予防策を怠る運転手の自信過剰が、自動車事故の要因のひとつである」と、同氏は指摘している。

 デンマークでは、70歳になると医師による運転免許のスクリーニングが義務づけられている。Nume氏は、今回の知見は、失神既往患者の運転の可否を判断するガイドラインを策定する際に役立つものだとしているが、同時に「考慮すべき要因は失神だけではない」とも強調している。

 Redelmeier 氏も「この知見は、失神既往患者を治療する際に、運転免許について配慮すべきことを医師に再認識させるものだ」とコメントしている。

Car Crash Risk May Nearly Double in People Prone to Fainting

[2016年2月29日/HealthDayNews] Copyright© 2016 HealthDay. All rights reserved.

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