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インスリン治療が高濃度乳腺と関連する?
2016年03月
 女性の糖尿病患者がインスリン治療を受けている場合、高濃度乳腺(dense breast)リスクが高いことが、新たな研究で示された。高濃度乳腺は乳がんのリスク因子であることが知られており、乳腺組織の割合が75%を超える女性は、25%未満で脂肪がより多い女性に比べて乳がんの発症リスクが4〜6倍に上るという。

 研究を主導した南デンマーク大学(エスビャウ)疫学准教授のZorana Andersen氏によると、インスリン治療中の女性糖尿病患者は、非糖尿病の女性に比べて乳腺濃度が大幅に高かった一方で、経口のメトホルミンを服用中の女性糖尿病患者は、高濃度乳腺であるリスクが低かったという。

 なお、同氏らは、今回の知見はインスリン治療と高濃度乳腺の関連性を示しただけで、因果関係を証明したものではない点を強調している。この結果は、オランダ、アムステルダムで3月9〜11日に開かれた第10回欧州乳がん会議(EBCC)で報告された。学会発表された研究は、査読を受けて専門誌に掲載されるまで予備的なものとみなされる。

 今回の研究で、同氏らは、1993〜2001年にマンモグラフィを受けた5,700人強の女性(平均年齢56歳)を調査した。対象者のほとんどが閉経後であり、約56%は乳腺濃度が混合型または高濃度に分類された。また、糖尿病患者は137人(2.4%)だった。

 解析の結果、糖尿病患者全体では、乳腺濃度が混合型または高濃度乳腺であるリスクは低かった。しかし、インスリン治療中の患者では、乳腺濃度が混合型または高濃度を示すリスクは2倍に上り、BMIや閉経後かどうかは関連していなかった(同氏らによると、閉経後には通常、乳腺濃度は低くなるという)。一方で、食事療法や経口の糖尿病治療薬を服用している患者では、高濃度乳腺であるリスクは低かった。

 Andersen氏によると、これまで糖尿病と乳がんリスク上昇との関連が知られているが、その機序は明らかにされておらず、また、インスリンが高濃度乳腺リスクを高めるかどうかも不明だという。「インスリンは身体のすべての組織の成長を促進する因子である。そのため、インスリンの働きで乳房の表皮組織や間質組織が増加し、結果的に乳腺濃度を高めることにつながる可能性が考えられる」と、同氏は説明している。

 また、同氏は「現時点では、糖尿病治療の種類により乳腺濃度への影響が異なる可能性を患者は認識する必要があり、インスリンを使用している場合には、マンモグラフィなどのスクリーニングが必要かどうかを主治医と相談すべきだ」とアドバイスしており、今後、糖尿病治療と乳がんリスクとの関連をさらに調べたいとしている。

 米シティ・オブ・ホープがんセンター(カリフォルニア州)の内分泌科医であるWei Feng氏は、この知見は興味深く、新しいものであると評価しつつ、「メトホルミンなどの治療と乳腺濃度の低下との関連性を検証する研究の実施に期待している」と述べている。

Diabetes Treatment May Affect Breast Density

[2016年3月9日/HealthDayNews] Copyright© 2016 HealthDay. All rights reserved.

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