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1型糖尿病ではてんかんリスクが高まる
2016年03月
 1型糖尿病患者は、そうでない人に比べて、てんかん発作を起こすリスクが約3倍に上ることが、「Diabetologia」3月31日オンライン版に掲載の論文で報告された。とくに6歳未満の患児では、てんかん発作のリスクが6倍であったという。

 しかし、今回の研究では両者の因果関係は証明されておらず、1型糖尿病患者がてんかんを発症する“絶対リスク”は小さいものだった。米国ではてんかん患者は全人口の1%未満と少ないこともあり、米Northwell Health総合てんかんケアセンター(ニューヨーク州)のScott Stevens 氏(今回の研究には参加していない)は、「てんかんリスクが上昇したといっても、実際にはほとんどの1型糖尿病患者ではてんかん発作は起こらないだろう」と述べている。

 1型糖尿病患者でてんかん発作のリスクが上昇する理由は不明だが、研究著者である中国医科大学小児病院(台湾)のI-Ching Chou氏らは、免疫異常や脳病変、遺伝的因子、代謝異常といった複数の因子が関与している可能性を指摘している。

 同氏らによると、高血糖や低血糖により、高齢者のてんかん発作が誘発されるという。また、若年時に1型糖尿病を発症した患者が重篤な低血糖を呈す場合、脳に重大な異常を抱えている可能性が高いことも示唆されている。米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)でフリードマン糖尿病プログラムを担当するGerald Bernstein 氏(今回の研究には参加していない)によると、適切な血糖管理を行っていない糖尿病患者では、脳の微小血管が悪影響を受けている可能性があるとしている。

 今回の研究は、台湾の国民健康保険データベースを用いて、1型糖尿病の小児および青年約2,600人(平均年齢は約10歳)と、性別や居住地域(都市部あるいは農村部)などをマッチさせた1型糖尿病をもたない約2万6,600人(同約11歳)を後ろ向きに比較した。

 複数の因子により調整した解析により、1型糖尿病患児では、糖尿病をもたない小児に比べて、てんかん発症リスクが2.84倍であることがわかった。また、知的障害をもつ小児は、てんかんを発症しやすいことも判明した。さらに、てんかん発作のリスクは、重篤な低血糖により入院治療を受けている1型糖尿病の患児で最も高く、このリスクは16.5倍に上っていた。

 なお、研究著者は、国民健康保険のデータベースからは、対象者の生活習慣やBMI、身体活動度、社会経済的地位、家族歴などの情報が不足していた点など、今回の研究にはいくつかの限界があったと断っている。Stevens 氏も「今回の知見だけに基づけば、すべての1型糖尿病患児でてんかん発作の検査を行う必要はない」と強調している。

 Bernstein氏によると、1型糖尿病患児をもつ両親がなすべきことは、子どもが診断されたらすぐに、血糖モニタリングやインスリンポンプなどを用いて、長期にわたりしっかりと血糖コントロールを行うことだとしている。

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[2016年3月31日/HealthDayNews] Copyright© 2016 HealthDay. All rights reserved.

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