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「歩きやすい」近隣環境が糖尿病予防につながる
2016年05月
 通勤や通学、普段の買い物に歩いたり、自転車を使える「歩きやすい」環境に住むと、歩くことが習慣づけられ、糖尿病や肥満の予防につながることが、カナダのオンタリオ州で行われた新しい研究で示された。詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」5月24/31日号で報告された。

 この研究は、カナダで行われた健康調査の2001〜2012年のデータを用いて、オンタリオ州の都市近郊に住む30〜64歳の約9,000人を対象に調べたもの。人口密度や世帯密度、目的地へのアクセス(歩行可能かどうか)、道路網の連結性の4つの因子により、近隣環境の「歩きやすさ」を評価し、糖尿病や肥満との関連を検討した。

 その結果、「歩きやすい」と評価された地域では、そうでない地域に比べて、歩く頻度や自転車、公共交通機関を利用する頻度が有意に高く、自動車を利用する頻度は低いことがわかった。運動や食生活、喫煙習慣には地域間で差はみられなかった。

 過体重や肥満の人の割合は、2001〜2012年にかけて、「歩きにくい」と評価された地域では増加がみられたのに対し、「歩きやすい」地域ではいずれも変化なく推移していた。糖尿病患者の割合は、「歩きにくい」地域ではほぼ変わらなかったが、「歩きやすい」地域では低下がみられた。

 研究の指導著者を務めるセント・マイケル病院Li Ka Shing Knowledge研究所(カナダ、トロント)のGillian Booth氏によると、「歩きやすい」地域に住む人は頻繁にジムに通う人が多かったわけではなく、レジャー活動に費やす時間に地域間で差はみられなかったという。ただし、「移動に自転車や公共交通機関を使うことによるエネルギー消費量は、『歩きやすい』地域で明らかに多かった」と、同氏は指摘している。

 また、米国糖尿病協会(ADA)のRobert Ratner氏は「今回の知見では、『歩きやすい』環境の住民は、歩いたり自転車に乗る時間が年々増加していたことが判明した。環境の変化に伴って人々の習慣も変わるのかといった疑問に対して、非常に明るい見通しが得られた」と述べている。

 Booth氏は、歩行者や自転車専用の安全なレーンの設置や、公共交通手段を整備することで、現時点では「歩きにくい」環境でも歩きやすい場所へと転換できる可能性があることを指摘している。ただし、Ratner氏は、歩くことや自転車に乗ることを推進するように特別に設計された地域でも、肥満や糖尿病といった健康問題に影響を及ぼすのかどうかを検証する臨床研究を行う必要があるとしている。

No Welcome Mats for Diabetes, Obesity in 'Walkable' Neighborhoods

[2016年5月24日/HealthDayNews] Copyright© 2016 HealthDay. All rights reserved.

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