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薬剤師による介入が心疾患予防を向上
2016年06月
 心疾患のリスク因子を十分にコントロールできていない人は、薬剤師の助けを借りることで将来のリスクを低減できる可能性があることが、カナダの研究で示された。

 今回の研究では、訓練を受けた地域の薬剤師が心筋梗塞と脳卒中リスクが高い人を募集し、半数には薬剤師との連携による「薬物療法管理」を、残りの半数には通常の治療を行った。その結果、3カ月後では、薬剤師による介入を受けた群は、通常治療を受けた群に比べて将来の心臓イベントリスクが21%低下した。また、介入群では、試験開始から終了までの3カ月で将来の心疾患の推定リスクが5%以上低下したのに対し、通常治療群ではほとんど変化はみられなかった。

 アルバータ大学(カナダ)教授のRoss Tsuyuki氏らによるこの研究では、複数の心疾患リスク因子を保有する患者に対し、薬剤師が助言し、必要な薬剤を処方して用量の調節を行った。心血管疾患は、米国のみならず世界中で死亡原因の首位を占めており、このような介入が公衆衛生に大きなベネフィットをもたらす可能性があると、同氏らは結論づけている。この研究は「Journal of the American College of Cardiology」6月21日号に掲載された。

 付随論説を執筆した米ハーバード大学医学部(ボストン)のLarry Weinrauch氏は、「この研究は、とくに多剤併用を要する高リスク患者に対する医療供給の問題点を浮き彫りにした。こうした高リスク患者を抽出し、よりよい医療を届けるシステムの構築が必要であり、ここでは医療を提供するのが誰であるかは重要ではない」と指摘している。

 Tsuyuki氏は、変化を起こすには「政治的決定」が必要だが、薬剤師の人数や疾患にかかるコストを考慮すれば、この医療モデルは米国にとって有益であるとの見解を述べている。米国では、薬剤師は医師とは異なり、医療の「提供者」とはみなされないため医療費を直接請求することはできないが、本研究が行われたカナダのアルバータ州では、薬剤師が薬歴調査や通院に対する医療保険の償還を受けることができる。

 今回の研究では、56カ所の地域の薬局で723人の患者を登録した。3カ月後には、介入群では、高血圧患者の収縮期血圧値が平均で9.4mmHg有意に低下し、また、糖尿病患者のHbA1c平均値は、研究開始時点の8.6%から3カ月後には7.6%へと有意に低下したほか、HbA1c目標値(7%以下)の達成率も通常治療群(25%)に比べて介入群(42%)で高いこともわかった。さらに、介入群では、通常治療群に比べてLDLコレステロールの目標達成率が有意に高く、喫煙率も大きく低下した。

 この研究の限界には追跡期間が短いことが挙げられるが、高リスク患者に通常治療を提供しつづけることに薬剤師が懸念を示したため、3カ月後からは対照群の患者にも薬剤師による介入プログラムを案内したと、同氏らは説明している。

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[2016年6月15日/HealthDayNews] Copyright© 2016 HealthDay. All rights reserved.

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