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農産物への政府の助成が肥満蔓延の一因か?
2016年07月
 米国人は1日の摂取カロリーの半分以上を米政府の補助金を受けた7種類の農産物から摂取しているが、新しい研究によると、こうした助成が肥満の蔓延に寄与している可能性があることが示唆された。

 米国疾病管理予防センター(CDC)の一機関である国立慢性疾患予防・健康促進センター(NCCDPHP)のKaren Siegel 氏らによるこの研究は、1973年の農業法の対象とされた7種類の農産物に焦点を当てたもの。農業法により、トウモロコシ、大豆、小麦、コメ、モロコシ(ソルガム)、乳製品、家畜の生産者は、政府から直接助成を受けた。この法律の目的は「食料の適正価格での豊富な供給」であり、これらの農産物は米国人が摂取する食品原料の8割を占めるとされる。補助金の総額は、1995〜2010年で1700億ドル(約17.1兆円)に達する。

 一方で、これらの農産物は、高カロリーの砂糖入り炭酸飲料やコーンシロップを甘味料に用いたジュース、加工食品、高脂肪の肉類や乳製品など、栄養面で疑問のある製品の原料となる。果物や野菜は腐敗しやすく保存期間が短いことから、歴史的にこの補助金制度から省かれてきた。

 こうした政策が米国人の食生活に及ぼす影響を調べるため、研究チームは、全米健康栄養調査(NHANES)による2001〜2006年の情報を分析。1万人強の成人男女を対象に、調査前24時間の食物摂取の内訳を調査した。喫煙歴、運動習慣、社会経済的な背景は評価に入れなかったが、腹部脂肪の蓄積を含む肥満リスクや全身性の炎症レベルの上昇、高血圧、脂質異常症、高血糖リスクについて調査を行った。

 その結果、対象者が消費した食品の過半数(56%)は、これらの7種類の農産物が元となっており、こうした食品を最も多く摂取する人では肥満や高血圧などの生活習慣病リスクが高いことがわかった。たとえば、これらの消費量が最も多い人では、肥満リスクが37%、過剰な腹部脂肪の蓄積リスクが41%高かったほか、全身性の炎症が上昇するリスクは34%、LDLコレステロールが高値となるリスクは14%、高血糖リスクは21%高かった。

 「これらの食品の食べ過ぎは肥満、心血管疾患、2型糖尿病の発症につながることが知られているが、国の補助金を受けた食品の摂取が国民の健康にこれほどまで強力で直接的な影響を及ぼしているとは予想していなかった」と、同センターのEdwardGregg氏(今回の研究には参加していない)は述べている。

 同氏は、肥満は複雑かつ公衆衛生上の大きな問題であり、単に補助金を受けた食品を多く摂取すれば肥満や健康問題が生じるわけではないと強調するとともに、助成プログラムをどのように変更するべきかについては、さらなる研究が必要だとしている。

 米テキサス大学サウスウェスタン医療センター(ダラス)のLona Sandon氏は、米国の食生活は動物性のものに偏っている点を指摘しつつ、「助成については複雑で簡単な答えは持ちあわせていないが、単に果物や野菜の摂取が不十分ということに尽きるのではないか」と述べている。

Is U.S. Government Subsidizing Fattening Foods?

[2016年7月5日/HealthDayNews] Copyright© 2016 HealthDay. All rights reserved.

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