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2型糖尿病に関与する遺伝子を国際研究チームが解明
2016年07月
 国際研究チームにより、2型糖尿病の遺伝的解析が大きく前進したことが、「Nature」オンライン版に7月11日掲載の論文で報告された。GoT2DおよびT2D-GENESと名づけられた大規模なコンソーシアムが2型糖尿病リスクの上昇に直接的に関与する12の遺伝子を同定したという。

 「この知見は、2型糖尿病の遺伝的構造のさらなる理解につながるものだ」と、著者の1人である米ミシガン大学公衆衛生学部(アナーバー)のMichael Boehnke氏は述べている。

 いまや世界中で10人に1人が2型糖尿病あるいはその予備軍とされる。同氏らによると、糖尿病の発症には食生活や運動などの環境因子のほか、遺伝子多型が強く関与しており、これらの遺伝的背景の解明は2型糖尿病の新たな治療法や予防法の開発につながるとしている。

 今回の研究では、22カ国の300人強の研究者が、欧州、南アジアおよび東アジア、米国、アフリカに祖先をもつ12万人強の成人を対象に、全ゲノムまたはエクソーム(タンパク質をコードする遺伝子情報)の解析を行った。2型糖尿病患者と糖尿病をもたない対象者の遺伝子多型を比較することで、多くの人がもつDNAとまれな「個別(private)」の遺伝子多型を調べた。

 その結果、一部の研究者の予測とは異なり、2型糖尿病の遺伝的リスクのほとんどはまれな遺伝コードではなく、多くの人にみられる一般的な遺伝子多型に関連することが判明した。これらの遺伝子多型はそれぞれ、個々人の糖尿病リスクを全体的にさらに上昇させることになるという。糖尿病の予防・治療法を個別化するには、個々の患者の環境因子だけではなく遺伝プロファイルも考慮に入れるべきであることを、著者らは示唆している。

 「今回の研究により、2型糖尿病患者の遺伝的リスクは数百あるいは数千の遺伝子多型を反映していることが明らかにされた。そのほとんどは多くの一般集団で広く共有されているものであり、この影響の範囲の広さが個別化(あるいは精密な)治療の実現を困難にしている可能性がある」と、研究を主導した1人、米ハーバード大学/マサチューセッツ工科大学(MIT)が共同運営するブロード研究所(ボストン)のJason Flannickは述べている。

 さらに今回は、2型糖尿病の発症に直接的に関与する12の遺伝子が同定された。たとえば、TM6SF2遺伝子は、肝臓に貯蔵された脂肪量を変えることで糖尿病リスクを上昇させるという。なお、今回の研究データは、2型糖尿病の理解を深め、予防や治療を推進することを目指して世界中の研究者に公開されている。

Global Team Taps Into DNA Behind Type 2 Diabetes

[2016年7月11日/HealthDayNews] Copyright© 2016 HealthDay. All rights reserved.

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