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高タンパク質食による減量もインスリン抵抗性は改善しない
2016年10月
 高タンパク質の食事をとると一定の減量効果が得られるが、減量後もインスリン抵抗性は改善しないことが、新しい研究で報告された。

 インスリン抵抗性は2型糖尿病や心疾患の発症に関連する因子であり、肥満に伴って増悪する。そのため、減量によるメリットのひとつにはインスリン抵抗性の改善が挙げられている。

 今回、米ワシントン大学医学部(ミズーリ州セントルイス)教授のBettina Mittendorfer氏らの研究チームは、閉経後の肥満女性34人(50〜65歳)を対象に、(1)食事療法を行わずに体重を維持する群、(2)1日推奨摂取量のタンパク質を摂取する食事療法群、(3)高タンパク質を摂取する食事療法群−の3群に割り付けて7カ月間以上追跡した。研究開始時点では、対象者はすべて糖尿病を有していなかった。

 その結果、推奨量のタンパク質を含む食事療法を行った群では、2型糖尿病や心疾患リスクの低減に重要とされるインスリン抵抗性が25〜30%改善したのに対し、高タンパク質食を摂取した群ではインスリン抵抗性の改善は認められなかった。

 「過体重や肥満の人の多くでは、インスリンが効果的に血糖値をコントロールできず、このことが2型糖尿病の発症につながることから、今回の知見は重要なものといえる」と、同氏は述べている。

 この研究では、高タンパク質食の摂取は筋肉量の維持にもほとんどベネフィットがないことがわかった。「減量のうち3分の2は脂肪組織からで、残りの3分の1は筋肉に依存している。高タンパク質食を摂取した群では、筋肉の減少量はやや少ないようだったが、最終的には1ポンド(約450g)の差におさまり、こうした僅差に臨床的ベネフィットがあるかどうかは疑問である」と、同氏は付け加えている。

 高タンパク質食を摂取してもインスリン抵抗性が改善しない理由は明らかでなく、男性や既に糖尿病と診断された女性でも同様の結果が得られるかどうかも不明だという。

 米ハンティントン病院(ニューヨーク州)の登録栄養士であるStephanie Schiff氏は、「身体にはタンパク質が必要だが、必要以上の摂取は不要で、腎臓に問題を抱える場合には有害となる可能性もある。また、タンパク質から得た余剰なカロリーは脂肪として蓄えられるため、体重増加につながる」と説明しつつ、「肥満や閉経はインスリン抵抗性を増悪させる因子でもあるため、高タンパク質な食事による減量のベネフィットを打ち消している可能性も考えられる」と述べている。

 同氏によると、最も健康的な食事とは、1日の推奨摂取量のタンパク質とともに、複合糖質(complex carbohydrates)を含むバランスがとれたものを意味するという。

 一方で、高タンパク質を含む食事であっても、糖尿病の予防には減量の効果は大きいとする専門家もいる。米レノックスヒル病院(ニューヨーク市)フリードマン糖尿病プログラムを担当するGerald Bernstein氏によると、減量した人ではその多くでインスリン抵抗性が改善するという。同氏は、減量とともに重要なのは“運動”だと強調しており、「適度な身体活動により筋肉のインスリン抵抗性が改善される。われわれは通常、カロリー制限と運動を同時に処方している」と述べている。

 この知見は、「Cell Reports」10月11日号に掲載された。

High-Protein Diets May Not Help Fend Off Diabetes: Study

[2016年10月11日/HealthDayNews] Copyright© 2016 HealthDay. All rights reserved.

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