HealthDayNews トップページへ メールマガジン無料登録
定期的な眼科検診が末梢動脈疾患の早期発見につながる
2017年03月
 定期的な眼科検診により網膜の細い血管の変化をみることで、足の血管に動脈硬化が起こって血液の流れが悪くなる末梢動脈疾患(PAD)を予測できる可能性が、新しい研究で示された。

 「40歳を超える米国人のうち850万人がPADと推定されている。PADは米国人の死亡率やQOLの低下に大きく関連している」と、米ノースウェル・ヘルス・サウスサイド病院(ニューヨーク州)の心臓内科医であるSamy Selim氏(今回の研究には参加していない)は述べている。PADによる障害は深刻かつ広がりをみせている一方で、医師によるスクリーニングは十分に行われていないという。

 この知見は、米ジョンズ・ホプキンス大学(ボルティモア)のChao Yang氏らによるもので、米ポートランドで3月7〜10日に開催された米国心臓協会(American Heart Association)Epidemiology and Prevention/Lifestyle and Cardiometabolic Health 2017会議で報告された。

 Yang氏らの研究チームは、前向きコホート研究であるAtherosclerosis Risk in Communities(ARIC)研究に参加し、1993〜1995年に眼底検査を受けた成人男女9,390人を対象に19年間追跡した。追跡期間中に304人が入院または外科的処置を要するPADを発症した。PAD患者のうち92人は重症下肢虚血(CLI)と呼ばれる重篤なPADであった。CLIは下肢に潰瘍を生じ、壊疽や下肢切断に至る可能性がある。

 その結果、糖尿病などの一般的なPADリスク因子を調整した解析により、網膜に異常が認められた人では追跡期間中のPAD発症リスクは約2倍で、より重症度が高いCLIの発症リスクは約3.4倍に上ることがわかった。網膜に認められる異常には、出血、脂肪が沈着してできた硬性白斑、黄斑付近に毛細血管瘤と呼ばれる血管のコブができる網膜微細動脈瘤などが含まれた。

 また、こうした網膜病変とPADの関連は、糖尿病をもたない人に比べて糖尿病患者で強いことも判明した。同氏らによると、網膜症にみられる網膜の細い血管に認められる異常は、下肢で起こっているさらに大きな問題を示唆するものだという。

 「下肢の細い血管が損傷を受けると傷の治りが遅くなり、狭窄した血管の周囲に新たな血流ルートをつくるのを妨げる。これがより重症のPADの発症につながる」と、同氏らは説明している。

 定期的な網膜検査の利点についてはSelim氏も同意しており、「眼底検査はプライマリケア医による健康診断でも行えるものだ。眼の検査を行えばPAD発症のてがかりが得られ、早期に対処できる日がいつか来るものと期待したい」と述べている。

 米ノーザン・ウェストチェスター病院(ニューヨーク州)のJames Catanese氏は、「今回の知見から、網膜の評価により治療可能な段階でPADを検出できる可能性が示された。眼科検診を定期的に行うことでより多くの動脈硬化病変を発見できれば、早期治療によりさらに命を救えるだろう」と述べている。

 なお、学会で発表された知見は、査読を受けた専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

Eye Exam Might Help Spot Poor Circulation in Legs

[2017年3月8日/HealthDayNews] Copyright© 2017 HealthDay. All rights reserved.

HealthDay
 「世界の糖尿病最前線」では米国で配信されている医療関連情報HealthDay Newsの中から糖尿病に関連したニュース記事を厳選し、日本語に翻訳・要約しお届けします。
HealthDay Newsの詳細へ

■最新ニュース

ニュース一覧へ ▶