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急性膵炎治療に絶食期間は不要か?
2017年05月
 軽度の急性膵炎患者が入院後、絶食せずにすぐに食事や水分を摂ると回復が早まる可能性のあることが、新しい研究で示された。これまで急性膵炎の治療は数日間の絶食絶飲が基本とされてきたが、この概念を覆す知見が得られた。

 膵炎は上腹部に激しい痛みや腹部膨満感などをもたらす。米国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所(NIDDKD)によると、膵炎の原因にはアルコール摂取や胆石などが挙げられるという。

 米ミシガン大学医学部のValerie Vaughn氏らは、急性膵炎で入院した患者を対象に、入院後48時間以内に食事を摂る群と絶食する群を比べたランダム化比較試験(RCT)を11件抽出して解析した。対象患者の総数は948人で、11件のRCTのうち7件は軽度〜中等症の患者を、残り4件は重症患者を対象としていた。

 解析の結果、入院後48時間以内に経口またはチューブで食事を摂った患者では、吐き気や腹部痛、嘔吐などの症状が少なかった。また、こうした患者では回復も早く、入院期間が短かった他、数日間を絶食絶飲で過ごした患者と比べて再入院や合併症、死亡のリスクに差はみられなかった。

 重症の膵炎患者に関するエビデンスは限られていたが、早期に食事を摂る群と絶食絶飲した群との間に有意な差はみられず、また早期に食事を摂ることによる有害な影響は認められなかった。この研究は「Annals of Internal Medicine」5月16日号に掲載された。

 Vaughn氏は「食べ物は栄養になるだけでなく、腸の働きを活発にして腸から侵入する細菌の攻撃から身体を守るのにも役立つ。これまでは膵炎患者が発症後早期に食事を摂ると消化酵素が分泌されて症状悪化につながることから、数日間は絶食絶飲が必要と考えられてきた」と説明している。

 その一方で、最近、欧州で行われた複数の研究で膵炎患者がより早期に食事を摂っても後の経過は良好であることが示唆されたことを受け、同氏らの病院では検査値や症状がある基準に達したら食事を開始するようになったという。「最近では急性膵炎患者の絶食期間は短縮する方向になっており、今回の知見がこうした流れを促すことに期待している」と、同氏は述べている。

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[2017年5月16日/HealthDayNews] Copyright© 2017 HealthDay. All rights reserved.

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