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過度の運動は腸に悪い? 腸の損傷につながる恐れ
2017年06月
 過度の激しい運動は腸の損傷につながる可能性があることが、モナッシュ大学(オーストラリア)のRicardo Costa氏らの研究で示唆された。

 Costa氏によると、長時間の激しい運動に対するストレス反応は、腸の機能を停止させる。運動中の筋肉に血流が集中すると、腸では血流が不足して細胞が損傷され、これにより細胞死や腸管壁の損傷、さらには腸内細菌が血流に入り込むことによる全身免疫反応につながる恐れがあるという。このような腸の損傷や機能障害は“運動誘発胃腸症候群(exercise-induced gastrointestinal syndrome)”と呼ばれる。

 同氏らは今回、激しい運動が胃腸に及ぼす影響を明らかにするため、5つの論文データベースを用いて「システマティックレビュー」を実施。条件を満たした8件の研究を特定した。

 その結果、運動の強度上昇や時間延長に伴い、腸の損傷や腸内細菌の流出、胃腸の動きの鈍化などが生じやすくなることが分かった。最大強度の60%に相当する運動強度を2時間以上続けると症状の発生リスクが高まる。また、熱ストレスがあると症状が悪化しやすいことも分かった。

 Costa氏は「この問題を防ぐには、運動中はこまめに水分補給を行い、できれば運動前と運動中に少量の炭水化物とたんぱく質を摂取するとよい。快適だと感じる範囲で運動することが重要で、運動中に胃腸の痛みを感じたら何かが適切でないというサインだと考えてほしい」と話す。また、運動前はイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を服用しないことも大切だという。

 さらに同氏によると、最近の研究では、高強度の運動をする際に「低FODMAP食」と呼ばれる食事法を導入すると、腸の症状が軽減することが報告されている。FODMAPとは発酵性のオリゴ糖、二糖類、単糖類、糖アルコールといった特定の炭水化物の総称で、腸管内に水分を引き寄せる作用がある。一方で、サプリメント(抗酸化物質、グルタミン、ウシの初乳、プロバイオティクスなど)で腸の症状が予防または軽減するとのエビデンスは認められなかった。

 この研究結果は、「Alimentary Pharmacology & Therapeutics」6月7日オンライン版に掲載された。

High-Intensity Exercise May Be Bad for the Bowels

Abstract
Systematic review: exercise-induced gastrointestinal syndrome—implications for health and intestinal disease

[2017年6月16日/HealthDayNews] Copyright© 2017 HealthDay. All rights reserved.

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