HealthDayNews トップページへ メールマガジン無料登録
腹部肥満で閉経後女性のがんリスクが高まる
2017年09月
 体重やBMIではなく、腹部肥満が閉経後女性における一部のがん発症のリスク因子になり得るとの研究結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2017、9月8〜12日、スペイン・マドリッド)で報告された。

 この研究は、Nordic Bioscience and ProScion(デンマーク)のLine Mærsk Staunstrup氏らが約5,900人の閉経後女性を最長で12年間追跡したもの。閉経後女性の肺がんや消化器がんのリスク因子として、体重やBMI、体脂肪率ではなく「腹部肥満」が重要であることが明らかにされた。

 Staunstrup氏らによると、この結果は閉経を迎えた女性では体重管理、特に腹部肥満の予防ががんリスクの低減に肝要であることを示しており、「閉経後には、脂肪は身体の中心部にたまりやすくなることが知られており、今回の結果は高齢女性に有用な情報をもたらした。女性は閉経期が近づいてきたら生活習慣に気を配り、余分な脂肪が身体にたまらないように気をつけるべきだ」と述べている。

 この研究では、デンマークの閉経後女性5,855人(平均年齢71歳)を対象に、ベースライン時に二重エネルギーX線吸収測定(dual-energy X-ray absorptiometry;DXA)法により体脂肪や体組成を測定し、12年間追跡した。

 その結果、対象女性が発症したがんのうち、特に肺がんと消化器がんリスクには、「腹部肥満」が独立した予測因子となることが分かった。一方で、BMIと体脂肪率はいずれも有意ながんのリスク因子ではないことも示された。

 ガリレア病院(イタリア)の腫瘍医学部長のAndrea De Censi氏は、この結果は一部のがんの発症には肥満、中でもインスリン抵抗性が深く関与していることを裏付けるものだとし、「インスリン抵抗性は、特に内臓脂肪や腹部脂肪の過剰な蓄積につながる」と指摘している。

 また、Censi氏によると、インスリンはホルモンの分泌にも悪影響を及ぼしており、脂肪が過剰に蓄積すると全身で慢性炎症が引き起こされ、ある種のがん発症のリスク因子になる可能性が考えられるという。同氏は「今回のデータは、肥満患者に積極的な介入を行うきっかけとなるものだ」とし、食生活の是正や運動によって脂肪を減らすなどの対策のほか、インスリンの影響を低減するとされるメトホルミンなどの糖尿病治療薬にがん予防での有益性が期待される可能性を指摘している。

 なお、学会で発表された知見は、査読を受けた専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

Could Big Lifestyle Changes Be Key to Managing Type 2 Diabetes?

[2017年9月12日/HealthDayNews] Copyright© 2017 HealthDay. All rights reserved.

HealthDay
 「世界の糖尿病最前線」では米国で配信されている医療関連情報HealthDay Newsの中から糖尿病に関連したニュース記事を厳選し、日本語に翻訳・要約しお届けします。
HealthDay Newsの詳細へ

■最新ニュース

ニュース一覧へ ▶