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骨質の劣化で高齢2型糖尿病患者の骨折リスクが高まる
2017年09月
 高齢の2型糖尿病患者は骨質の劣化により骨が脆弱化し、骨折リスクが高まるとする研究結果が「Journal of Bone and Mineral Research」9月20日オンライン版に掲載された。

 研究を行った米Hebrew SeniorLife加齢医学研究所のElizabeth Samelson氏は「高齢の2型糖尿病患者で骨折の頻度が高まることは公衆衛生上も非常に重要な問題だ。社会の高齢化と糖尿病の蔓延により今後、骨折を来す高齢の糖尿病患者は増えると予測される」とその問題の重要性を強調している。

 高齢者が骨粗鬆症に関連した骨折を来すと、医療コストを押し上げるだけでなく、患者の生活の質(QOL)が低下し、身体障害や最悪なケースでは死亡に至ることからその予防は重要な課題とされる。

 DXA(二重エネルギーX線吸収測定)法を用いたこれまでの研究では、2型糖尿病の高齢患者は、糖尿病がない高齢者に比べて骨密度が正常または高く維持されていることが報告されている。だが、こうした2型糖尿病患者では骨折リスクが高く、特に骨粗鬆症に関連した骨折の中でも最も深刻な大腿骨近位部骨折のリスクが40〜50%高まることも知られている。

 そこでSamelson氏らは、2005〜2008年にフラミンガム研究に参加し、2012〜2015年には「HR-pQCT」と呼ばれる末梢骨用の特殊な高分解能CT装置を用いて皮質骨と海綿骨の微細構造や骨密度、強度などを評価した成人男女1,069人を対象に、糖尿病の有無で分けて3年間追跡した。対象者の平均年齢は64歳で、このうち糖尿病患者は129人(12%)であった。

 その結果、2型糖尿病患者は皮質骨の体積密度や強度が低下し、下腿部にある脛骨の断面積が縮小するなど、骨質全体が低下し骨が弱まっていることが分かった。なお、上腕部にある橈骨の断面積は糖尿病の高齢患者でも縮小することはなかったという。

 Samelson氏らは「今回の結果は、高齢糖尿病患者の骨折リスクの増加には骨質の劣化が関与している可能性を示唆するもので、こうした患者における骨折の予防や治療の向上に生かせる可能性がある」と期待を述べている。また、同氏らによると、HR-pQCTは既存の骨密度検査では検出が難しかった領域の評価ができるため、今後この検査法を活用し、骨の強度や質に影響するさまざまな因子について研究を進める必要があると付け加えている。

Fracture Risk Higher for Seniors With Diabetes

[2017年9月20日/HealthDayNews] Copyright© 2017 HealthDay. All rights reserved.

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