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1型糖尿病はセリアック病のリスク因子?
2017年10月
 1型糖尿病の子どもを持つ親は、同じく自己免疫疾患であるセリアック病の症状にも注意する必要があるかもしれない−。「Pediatrics」10月10日オンライン版に掲載された研究で、1型糖尿病の家族歴があるなど遺伝的にリスクが高い小児はセリアック病にもなりやすく、これらの併存率は予想を上回る可能性が示された。

 研究を行った米パシフィク・ノースウェスト研究所のWilliam Hagopian氏は「1型糖尿病とセリアック病は遺伝的に関連が強く、一方に罹患するともう一方にも罹患する可能性が高いと考えられる。1型糖尿病の自己抗体を有する人はセリアック病の自己抗体検査も受けるべきだ」と話している。

 1型糖尿病は、免疫系が膵臓のβ細胞を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患で、セリアック病も摂取したグルテンが原因となり小腸粘膜が攻撃される自己免疫疾患である。セリアック病の症状は胃痛や腹部膨満感、下痢、嘔吐、便秘、体重減少、疲労感のほか、発育や思春期の徴候の遅れなど多岐にわたる。

 これまでの研究で1型糖尿病とセリアック病の併存率は5〜8%であると報告されているが、詳細な検討はあまりなされていなかった。Hagopian氏らは今回の研究で、これらが同時に発症するのか、あるいはどちらか一方が引き金となるのかに加え、これらの併存率や遺伝的または環境的な発症に関わる因子を探るため、1型糖尿病とセリアック病の遺伝的リスクが高い小児を対象に追跡調査を行った。

 研究では、米国および欧州の6つの医療施設から参加した5,891人の小児を対象に、中央値で66カ月(5.5年)間の追跡を行った。対象とした小児のうち367人が1型糖尿病の自己抗体を、808人がセリアック病の自己抗体を有していた。両方を有していた小児は90人に上ったことから、Hagopian氏らはこれらの併存率は予想よりも高かったとしている。

 また、多くの場合、1型糖尿病の自己抗体はセリアック病のそれに先行して認められていた。さらに、1型糖尿病の家族歴がある小児はセリアック病を併存するリスクが2.8倍となることも分かった。

 これらの結果から、Hagopian氏は「1型糖尿病が引き金となってセリアック病を発症する可能性はあるが、これらの疾患は環境要因の一部が共通している可能性も考えられる」と指摘。今回の研究対象は6歳未満の小児に限られており、解釈には注意が必要であることも付け加えている。付随論説を執筆した米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のChristine Ferrara氏もこの研究は関連性を示したに過ぎないと話している。

 セリアック病に詳しい米ニューヨーク大学(NYU)ウィンスロップ病院消化器病学のJames Grendell氏は「セリアック病の治療はグルテンフリー食を早期に開始し、特に子どもの発育の遅れなどを抑えることが重要で、そのためにも早期診断・早期発見が必要不可欠となる。セリアック病にはその他にも鉄欠乏性貧血や骨粗鬆症、皮膚炎、まれではあるが致死的なリンパ腫や小腸がんなどの合併症もみられる」と早期診断の大切さを強調している。

 さらに、同氏は「1型糖尿病がセリアック病のリスク因子であることは明らかで、今回の研究が示す重要なメッセージはこれまで推奨されてきたように子どもが1型糖尿病と診断された親はセリアック病の検査を早めに行い、セリアック病が見つかれば早期に治療を開始すべき点にある」と述べている。

Where There's Type 1 Diabetes, Celiac Disease May Follow
Abstract
Co-occurrence of Type 1 Diabetes and Celiac Disease Autoimmunity

[2017年10月10日/HealthDayNews] Copyright© 2017 HealthDay. All rights reserved.

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