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ホスピス利用の2型糖尿病患者で低血糖頻度が高い
2018年01月
 介護施設でホスピスケアを受ける高齢の2型糖尿病患者では、糖尿病治療により低血糖を起こす頻度が高いことが新しい研究で報告された。

 「JAMA Internal Medicine」2017年12月26日オンライン版に掲載されたこの研究では、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のLaura Petrillo氏らが、2006〜2015年に退役軍人局(VA)の介護施設でホスピスケアを受けた2型糖尿病患者2万329人のデータを後ろ向きに解析し、低血糖や高血糖の発生頻度を調べた。対象者全員が65歳超で、98%が男性であり、100日間の死亡率は83%であった。

 低血糖は脱力感や発汗、動悸、手足の震え、眠気、めまいなどを伴い、患者のQOL(生活の質)を大きく低下させる。低血糖エピソードを血糖値70mg/dL未満と定義して解析した結果、180日間の追跡期間中に低血糖エピソードは9人に1人に生じていたが、インスリン治療を受ける患者ではその発生率は38%と3人に1人に上昇しており、18%は重篤な低血糖(血糖値50mg/dL未満)を来していたことが分かった。

 また、ホスピスケアを受ける高齢患者では、喉の渇きや頻尿を伴う高血糖エピソード(血糖値400mg/dL超と定義)の頻度も高く、180日間の追跡期間中、インスリン治療を受ける患者の35%に高血糖が認められた。なお、1日の平均血糖測定回数はインスリン治療を受ける患者群では1.7回、インスリン以外の治療を受ける患者群では0.6回であった。

 Petrillo氏は「ホスピスケアでは身体的な苦痛や死への恐怖を和らげて、人生の最期を安らかに迎えられるようにすることに注力するため、短期的なベネフィットが期待できない治療は中止されることが多い。しかし、こうしたケアを受ける2型糖尿病患者において高い頻度で低血糖が生じているのは、糖尿病の治療に改善の余地があることを示唆している」と述べている。

 専門家の一人、米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は「Petrillo氏らの研究結果は、介護施設やホスピスケアを受ける2型糖尿病患者の治療や管理には特別な指針が必要であるという問題を提起するものだ」と強調している。同氏によると低血糖の原因はインスリンに限らず、経口治療薬の一部にもその可能性があることや、低血糖は高齢者のQOLに大きく影響を及ぼす転倒の危険性も増すことに留意すべきだという。

 また、同氏は「患者のQOLを高めないならば、その薬物治療を行う意義はあまりない」としつつ、比較的新しい経口治療薬はコストはかかるものの、低血糖を引き起こさずに高血糖を管理できることから、こうした薬剤を選択するのも一つの方法だとしている。

 米国糖尿病学会(ADA)のMatt Petersen氏は同じく専門家の立場から、この研究は糖尿病患者の終末期医療への理解を深めるものだと評価しつつ、「患者の安全とQOLを保持するために低血糖と高血糖はいずれも避けるべきだ。ホスピスケアを受ける高齢患者の糖尿病管理には、患者それぞれの健康状態に合わせて個別化した方法が必要であり、総合的な判断が求められる」と述べている。

 米国人の4人に1人は介護施設で人生の最期を迎えるという。Petrillo氏は「愛する家族がホスピスケアを受けているならば、行われている薬物治療が適切なものか、患者のQOLを損なう治療が行われていないか、そして治療が短期的なベネフィットを受けるためのものであることを医師に確かめるとよいだろう」とアドバイスしている。

Kidney Disease Can Lead to Diabetes, Not Just the Other Way Around
Abstract/Full Text
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2665732?resultClick=1&redirect=true

[2017年2018年1月4日/HealthDayNews] Copyright© 2018 HealthDay. All rights reserved.

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