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若年発症2型糖尿病患者は死亡リスクが高い
2018年02月
 若年期に2型糖尿病を発症した患者は死亡リスクが上昇し、特に心血管疾患による死亡リスクが高まる可能性のあることが「Diabetologia」2月22日オンライン版に掲載の論文で報告された。

 論文の共著者の一人であるベイカー心臓・糖尿病研究所(オーストラリア)のDianna Magliano氏は、この結果について「若年発症の2型糖尿病患者は糖尿病の罹病期間が長く、長期にわたって高血糖状態や合併症リスクが続くことが理由として考えられる」と指摘している。

 Magliano氏らは、1997〜2011年にオーストラリアのNational Diabetes Services Scheme(NDSS)に登録された2型糖尿病患者74万3,709人を対象に中央値で7.2年間追跡し、全死亡率と心血管疾患やがん、その他の原因による死亡率を分析した。対象患者の年齢は中央値で60.2歳であり、追跡期間中に11万5,363人が死亡した。

 解析の結果、2型糖尿病と診断された時の年齢が若いほど全死亡リスク、特に心血管疾患による死亡リスクが高いことが分かった。2型糖尿病の診断が10年早いと全死亡リスクは1.2〜1.3倍、心血管疾患による死亡リスクは1.6倍となった。一方で、2型糖尿病の診断が早いほどがんによる死亡率は低下することも明らかになった。

 米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長を務めるJoel Zonszein氏は専門家の立場から、「2型糖尿病はかつては高齢者の疾患と考えられていたが、近頃は若い頃に発症する患者も増えてきており、そうした患者は進行も早いことが知られている。若い患者はより体重が大きく、肝臓や腎臓、心臓などに脂肪が蓄積する異所性脂肪の毒性も強く、インスリン抵抗性や炎症も強いといった特徴がある」と説明している。

 また、同氏は、若年患者でがんによる死亡リスクが低かったとする結果については、がんは進行が遅く、多くの場合は高齢になるまで診断されないことが影響した可能性を指摘しているが、2型糖尿病の発症に関連する肥満はがんリスクの増大とも関係することが報告されており、今回の知見は確証を得たものではないとコメントしている。

 論文著者らもZonszein氏と同意見で、今回、若年患者でがんリスクが低かったのは、単純にがんが高齢者で多いためであり、また、今回の研究に参加したような2型糖尿病の治療を既に受けている若年患者は、がんになっても早期に診断を受けて治療を始められる可能性が高いことを指摘している。

 2型糖尿病の蔓延は世界的に問題視されているが、特に先進国では若年者の発症予防が課題とされている。米国糖尿病学会(ADA)によると、米国では毎年150万人が新たに2型糖尿病と診断され、このうち小児患者は5,000人を上回ると推定されているという。また、日本では1976年から1997年の間に6〜12歳で新たに2型糖尿病と診断された患者数は10倍に上り、オーストラリアでも2011年に新たに診断された患者の約1割が10〜39歳だとする調査結果が報告されている。

 これらの結果を受けて、Magliano氏らは「2型糖尿病患者の死亡率を低減させるには、健康的な生活習慣を維持してその発症を予防するか、発症をできる限り遅らせることが重要だ。2型糖尿病の予防は中年期だけの問題ではなく、全ての年齢層に当てはまる課題であることを認識すべきだ」と述べている。

 また、Zonszein氏は「既に2型糖尿病を発症した患者では心臓病や脳卒中のリスク因子を管理することが重要であり、体重の増加を防ぎ、血糖・血圧・脂質値を積極的に管理することで寿命を延ばせるだろう」と助言している。

The Sooner Type 2 Diabetes Arrives, the Worse for Your Heart
Abstract/Full Text
https://link.springer.com/article/10.1007/s00125-018-4544-z(18)30022-7/fulltext

[2018年2月23日/HealthDayNews] Copyright© 2018 HealthDay. All rights reserved.

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