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米でコレステロールガイドライン改訂、個別対応を推奨
2018年11月
 米国のコレステロール管理ガイドラインが改訂され、その詳細が米国心臓協会年次集会(AHA 2018、11月10〜12日、米シカゴ)で発表された。5年ぶりに改訂された新たなガイドラインでは、生涯にわたり健康的な生活習慣を維持してコレステロールを管理することが、動脈硬化性疾患のリスク低減に重要であることが強調された。また、その管理は個々のリスクに応じて個別化する必要があることも示された。

 おもな改訂ポイントとしては、(1)CTによる動脈硬化の評価など精緻な心疾患リスク評価を行うこと、(2)コレステロール値の管理が難しい高リスク患者に対しては、スタチン系薬に加えてエゼチミブやPCSK9阻害薬などのより強力なコレステロール低下薬を併用すること、(3)9〜11歳の時点(心疾患や高コレステロール血症の家族歴がある場合は2歳時点)でコレステロール値を測定し、生涯リスクを早期に評価することなどが盛り込まれた。

 AHAによると、米国では成人のおよそ3人に1人がLDLコレステロール(LDL-C)値が高いとされる。LDL-C値が高いと血管のプラークが肥厚して動脈狭窄が進むが、LDL-C値が100mg/dL以下に管理されていれば心疾患や脳卒中の発症リスクは低下する。AHA会長のIvor Benjamin氏は「年齢にかかわらずLDL-C高値は健康リスクを高めるため、たとえ若年者であっても健康的な生活習慣でコレステロール値を管理する必要がある」と話している。

 AHAによれば、小児や10歳代の若者ではコレステロール低下薬の使用に関するエビデンスが確立していないため、生活習慣の改善が唯一の介入策になるという。また、20〜30歳代の若年者はコレステロール値の測定を含めた心疾患リスクを評価する必要がある。さらに、スタチン系薬を服用していない人は、検査のために採血前に絶食する必要はないとされている。

 今回の改訂で、医師に対しては、コレステロールの悪化をもたらすリスク因子について患者と十分に話し合い、その患者のリスクに応じた個別評価を行うことが奨励されている。従来の喫煙習慣や高血圧、高血糖などに加え、家族歴や民族性、メタボリックシンドローム、慢性腎臓病、慢性的な炎症性疾患、早期閉経、妊娠高血圧症候群についても確認し、個別化した治療内容に反映することも推奨されている。

 さらに、心疾患リスクが中等度の患者に対してはCTによる冠動脈石灰化(CAC)スコアの評価が推奨されている。米ノースカロライナ大学心臓病学教授のSidney Smith氏は「CACスコアがゼロの場合には、他にリスク因子がなければスタチン治療は必要ない」と話している。ただし、喫煙習慣や糖尿病、心疾患の家族歴などのリスク因子がある人はスタチン治療が必要となる可能性がある。また、米ノースウエスタン大学フェインバーグ校心臓病学教授のNeil Stone氏は「CACによる被曝量はマンモグラフィと同程度だ」と説明している。

 一方、心筋梗塞や脳卒中の既往がある患者やLDL-C値が70mg/dL以上の高リスク患者に対しては、スタチンの服用量にかかわらずエゼチミブやPCSK9阻害薬などの併用を検討すべきとされた。

 米アリゾナ大学のMartha Gulati氏は「新しいコレステロールガイドラインは内容が複雑なため、診療の第一線に立つ医師や患者、その家族が理解しやすいように分かりやすく説明していく必要がある」と述べている。

原文
Abstract/Full Text

[2018年11月12日/HealthDayNews] Copyright© 2018 HealthDay. All rights reserved.

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