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若年発症2型糖尿病で精神疾患による入院リスク増
2019年04月
 40歳になる前に2型糖尿病を発症した人は、40歳以降に発症した人と比べて精神疾患による入院リスクが高まる可能性があることが、香港中文大学プリンス・オブ・ウェールズ病院、糖尿病・肥満研究所所長のJuliana Chan氏らの研究で示された。研究の詳細は「Annals of Internal Medicine」1月15日オンライン版に掲載された。

 この研究は、香港における約44万人の2型糖尿病患者(20〜75歳、2002〜2014年の住民ベースから42万2,908人、2000〜2014年の登録ベースから2万886人)を対象に、2型糖尿病を発症した年齢と入院率や累積入院日数との関連を調べた。対象患者のうち約2万1,000人は若年発症(「40歳になる前に発症」と定義)であり、診断時に40〜59歳だった患者および60歳以上だった患者はそれぞれ約20万人であった。

 その結果、若年発症の2型糖尿病患者における入院総日数の36.8%は精神疾患によるもので、気分障害と精神病性障害が最も多かった。なお、気分障害にはうつ病と双極性障害、自傷行為が含まれ、精神病性障害には妄想や幻覚、統合失調症が含まれていた。また、こうした2型糖尿病患者では、75歳の誕生日までの累積入院日数は97日と推定されたが、血糖や脂質、血圧などのリスク因子を良好に管理すると、この日数は65日へと約3分の1短縮できることが示された。

 さらに、若年発症の2型糖尿病患者では、身体疾患による入院リスクが高まることも分かった。こうした患者では、40歳以降に発症した患者と比べて腎臓病による入院リスクは6.7倍であり、心疾患や脳卒中による入院リスクは2.1倍で、感染症による入院リスクは1.7倍であった。

 Chan氏は、若いうちに2型糖尿病を発症すると精神的、身体的な疾患が原因で入院しやすい理由として、若年発症により罹病期間が長いことや、リスク因子のコントロールが不良であること(一部は治療強化の遅れによるものと考えられる)、患者が自己管理できていないことなどを挙げている。また、糖尿病の管理に伴う心理的負担によりストレスホルモンが活性化し、それが血糖コントロールを悪化させ、肥満や炎症を引き起こしている可能性があるとしている。

 同氏によれば、炎症は中枢神経系に影響し、精神上の健康の悪化につながる可能性があるという。また、これまで数多くの研究で糖尿病とうつ病の関連が示されているが、どちらが先行するものなのかは明らかになっておらず、これらの因子は互いに影響し合っている可能性を指摘している。

 専門家の一人で、米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は「この研究は警鐘として捉えるべきだ。かつて2型糖尿病は高齢者の疾患として知られていたが、今では若年層で増加が見られており、治療も以前より難しくなっている」と述べている。

 また、Chan氏によれば糖尿病は複雑な疾患で、単に薬物治療や経過観察を行えばコントロールできるものではないという。「患者は糖尿病と付き合っていく方法を学び、生活習慣を改善するための教育を受ける必要がある」とし、患者が生涯にわたり糖尿病を自己管理できるように、医療従事者だけでなく、社会全体で協力していくべきだとの考えを示している。

[2019年1月15日/HealthDay News]

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