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15注射はほんとうに痛い?
2006年10月
 このところ1型糖尿病を発症して1週間とか、1カ月後とか2カ月後の時期の、10歳未満のお子さんが多く初診にみえます。
 来院の理由は、いままでの病院で初期のケトアシドーシスの治療をしてもらったが、今後の継続治療については専門病院でお願いしたいと紹介状をもって初診されたり、これまでの病院は継続治療に慣れていないからとご家族が判断されたりとか、この際専門病院を受診してみたいとか、注射以外の治療について知りたいとか、膵移殖について知りたいなどなど、理由やお気持ちはさまざまです。
 この時期は、ご両親にとって、突然にお子さんが注射をしなければならない病気になったことを、ともすれば信じられない、受け入れられない時期であります。
 毎日続けるインスリン注射も「注射って痛そう」、「痛くないって言うのは信じられない」という心境ではありませんか。
注射の針を刺してみましょう
 「お子さんにインスリン注射が始まってから、おとうさん、おかあさんは自分で自分の体に、インスリン注射の針を刺してみましたか」。
 このような質問をしますと、「とんでもない。私は糖尿病ではありませんから」という答えが多く返ってきます。注射してインスリンを体に入れてみましたかとお聞きしているのではなくて、インスリン注射に使う針を、針だけを刺してみてみましたかとお聞きしているのですが、やはり「いいえ」というお答えが多くかえってきます。
 たしかに、痛みの神経に当たればどんな注射でも痛いです。しかし、痛みの神経は皮膚表面にまばらにありますので、当たる確率はそんなに多くないのです。できたら、皮膚をちょんちょんと突いてみて、痛いところに当たったら、1mmくらいずらせば、痛みの神経からはずれます。神経にあたるのはたまたまなのです。
 お子さんの前で、針を刺して、「ほら、おかあさんも刺したよ」と見せてください。お子さんはきっと納得すると思います。そして、おかあさん自身インスリン注射がそんなに痛いものではないことがわかります。
慣れてしまえばなんでもない
 おかあさんがお子さんに注射する時に、痛そうという気持ちで注射していたら、どうでしょう、される方のお子さんは、実際はそんなに痛くなくても痛いものなのだと認識してしまい、注射されることをいやがるようになってしまいます。だって、おかあさんがいやな顔をして自分に注射するのですから。
 採血もそうです。病院で採血するのをとてもいやがるお子さんがいます(当センターに通院中のお子さんの多くはどんなに小さくてもいやがらずにあっという間に採血させてくれます。たいへんびっくりすることです)。
 以前、通院まもないお子さんで、とても採血をいやがるお子さんがいました。ある時、なぜ自分だけ採血されるのだ?という疑問をもっていることがわかり、それから数回採血の度にご両親も一緒に採血させていただきました。お子さんはすぐ納得してくれて、その後はなにも問題なくなりました。
もうひとつ・・・
 おかあさんがたはお子さんの指から採血し血糖測定を頻繁にすることには抵抗はないのですが、インスリン注射回数は減らそうという気持ちを意外に多くもっていらっしゃいます。これは、まったく逆の結果になります。
 必要とわかれば、余分にインスリン注射をすることになってもいいのです。頻回に注射するほうが実は血糖コントロールしやすいのです。もちろん、必要以上に細かく注射する必要はないんですが。
 でも血糖測定の回数はできるだけ、少なくなるように考えて測定しましょう。
 血糖自己測定の針は、注射時の針に比べれば意外に痛いかもしれません。採血する場所(指の横腹!!!)と、指の皮を張って、皮にそっと穿刺器具を乗せて(抑えない!!)パチッとやれば、それほど痛くないですよ。
©2006 内潟安子


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