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23夜間にひどい低血糖になってもわからないんです
2007年06月
夜間低血糖を繰り返す
 夜間に低血糖をおこしたくない、これは患者さんも我々医療従事者も同じ考えです。特に小さいお子さんの場合、夜中に低血糖を起こした、ということをお母さんからお聞きしますと、原因がケアレスミスであるとわかっていても「申し訳ない」という気持ちでいっぱいになります。
 1週間に2回も3回も低血糖を起こすというなら、たとえ小さい低血糖であっても、夕食の内容とか、夕食前のインスリン量とか、寝る前のインスリン量とか、どこかうまくいかない、おかしいなというところがたぶんあるのでしょう。しっかり主治医の先生や医療スタッフと相談しましょう。低血糖になった日の、低血糖になる前の状況を、くわしくお話してください。
 「どのように考えて解決していくか」というトラブルシューテングのいくつかは、拙書「小児・ヤング糖尿病-のびのびしっかりサポート」(CBR社)に書きました。参考にしてみてください。

久しぶりの夜間低血糖
 久しぶりに夜中に低血糖を、ひどいのをおこした、というのなら、たまたま低血糖をおこしたということで、それはたまたまその日やその夜にいつもと違う、変わったことがあったということです。いつも注射しているインスリン量が常に多すぎる、というわけではないのですね。
 なぜこんなことを言うかというと、たまたま低血糖をおこしただけなのに、インスリン注射量を次回から下げてしまう方がいるからです。
 インスリン注射量を減らしてしまうと、血糖値が上昇してしまい、逆に血糖コントロールが悪化してしまいます。

なぜ低血糖を起こしたか考えよう
 低血糖を起こしたら、なぜ低血糖をおこしたのか、かならず考えてみましょう。なにか理由があるはずです。その日、なにか特別なことがあって、いつもと違うことがあって、低血糖をおこした、ということが多いのです。
 この原因さえみつけることができれば、低血糖をおこしたけれどもそこから多くのことを勉強したということになります。とてもりっぱなことです。“失敗は成功のもと”ですね。

インスリン注射に随分慣れたはずなのに
 さて、次の話はもう大きくなった1型糖尿病の中学生や高校生です。
 インスリン注射歴も10年以上で、現在のHbA1cは7%の後半、食前の速効型ないし超速効型インスリン3回注射とおやつの時に少量の超速効型インスリン、と寝る前のランタスインスリンというレジュメです。
 インスリン注射量の調節(少量の単位数を動かす程度ですが)は自分でやっていて、お母さんはもうわからないといった状態。部活も積極的、食欲も旺盛で、いたって問題ない。
 ところが、時に(年に2回か3回程度)夜中や明け方に、ひどい低血糖昏睡とけいれんをおこしてしまうのです。いつおこすかまったく予期できない。運動会があった夜でもないし、マラソン大会のあった夜でもないし。
 しかし、何かあるのです。いつも同じ場所にばかり注射しているのに、その日に限って違うところに注射したとか、夕食が遅かったので血糖が上がってしまい多めに注射したとか。

自分のことは自分でやる それともうひとつ
 小さい時はお母さんにインスリン注射や調節をお任せしますが、大きくなってもお母さん任せで、何も考えなく(責任インスリンのこともアルゴリズムも考えなく)、調節しているヤングがいます。たとえ、低血糖になっても親が助けてくれるから、親が横に寝ているから、というのです。
 これでは、いつまでたっても自分で自分のことをやるのだ、という気持ちになりません。戸締まりと同じで、ひとりで住んでいればしっかりと戸締まりをしますが、だれかと住んでいるとやってくれるだろうという気持ちがあり、お任せしてしまいます。おんぶされた気持ち(おまかせの気持ち)になってしまいます。
 安心ということも必要ですが、これから1人で社会にでていくわけで、たとえ低血糖をおこしても自分で考え、自分で処理していく心構えは絶対必要です。
 1人暮らしをしていた方に恋人ができて、それから頻回に低血糖をおこしてしまうようになった、という方がときどきいます。
 お聞きしますと、これまでは自分で考えてしていたが彼女がいることで気持ちに弛みがでてきて、低血糖になるかもとわかっていても、彼女がいるから大丈夫とどこかで思ってしまうのかも、と話ししてくれたことがありました。


©2007 内潟安子


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