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29時差とインスリン注射量
2007年11月
 最近は、海外にほんとうにみなさん手軽にでかけます。
 昨日(2007年9月)もカナダにはじめてホームステイした1型糖尿病女性が外来に来られました(グアムに足慣らしででかけたことがありましたが)。まったく問題なく、帰国されました。
 出国するときは、なんだかんだと心配されていましたが、X線チェックにもなにもひっかからず、一応英文証明書を持って行かれましたが、だれに提示することもなく帰国されました。
 帰国後の血糖コントロールもHbA1c 7.0%くらいでした。
 海外旅行の際のご心配なことについて、前回、前々回も書きましたが、時差とインスリン注射量について、海外に何回もでかけられた方は自分なりにやり方を開拓していらっしゃることと思いますが、最後に少し述べてみたいと思います。
 血糖コントロールがあまり良くないね、と主治医の先生からたびたびいわれている方は、先生によくご相談して、海外にでかけてください。
 ここでは、行き帰りのインスリン注射量の調整をどうしようかということについて、述べてみます。
1日1回注射の場合
 教科書的には、西回りと東回りでインスリン注射量の調節の仕方が書いてあります。これはNPHインスリン注射1回注射をしている方なら、あてはまるかもしれません。
 でもかえって、NPHインスリンや10Rや20Rインスリン注射1回の方は、あまりむずかしく考えることなく、日本にいるときの朝、向こうに着いた朝にいつものように注射して、まず問題ないようです。
 かの地でいつものように注射していても低血糖の心配は少なく、行き帰りをこのように雑に行なっても血糖コントロール悪化させることはまずないでしょう。
 なぜなら、飛行機に乗っているときは、活動量が少なく相対的に食事量がいつもより多くなる傾向があるからです。
1日4回注射の場合
 それでは、4回注射している方はどうでしょう。もっと簡単です。
 機内でも食事ごとに速効型ないし超速効型注射をし、向こうに着いてから寝る前などにいつものように中間型ないし持効型溶解インスリンを注射するだけです。
 食事前のインスリン注射は、これまで通り、炭水化物量を見て注射量を決める、寝る前の中間型ないし持効型溶解インスリンの量はこれまで通りです。
機内では高血糖になりやすい?
 普通、飛行機の機内食は動かない状態の中で食べますから摂取エネルギーオーバーになりやすいですね。よって、低血糖になることはめったにありません。かえって高血糖になりやすいかも。
 また、機内は乾燥していますので、どちらかといえば脱水の方向に傾きやすいので、濃縮してさらに高血糖になりやすいというわけです。
機内サービスを上手に利用しましょう
 いわゆる「エコノミークラス症候群」にならないように、水分だけは十分に取りましょう。最近は食事が終わって一息つくと、500mLの水が入ったペットボトルを渡されることが多いようですね。
 また、お腹がすくようでしたら、トイレのそばのギャレー(スチュワーデスさんがいるところ)に果物などがいつも置いてあります。また、スチュワーデスさんを呼べば希望する食べるものや飲むものを持ってきてくれます。  遠慮はまったく要りません。
かの地に到着後のインスリン注射量は?
 「27. 海外での食事とインスリン注射量」で書きましたが、日本や東南アジアのように炭水化物の多い食事の国では、日本でのインスリン量から始めるといいでしょう。
 アメリカや欧州など炭水化物が少なく、たんぱく質や脂肪が多い地域ではインスリン量を減らして始めるといいでしょう。
 この内容については、以前ノボケアフレンド27号にも書きました。また、(社)日本糖尿病協会編「インスリンはともだち」(医歯薬出版、2000年)にも、若年1型糖尿病の方の海外旅行の1週間が掲載されています。参考になさってください。
©2007 内潟安子


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