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オーストラリア糖尿病協会「CONQUEST」2010年夏号記事より

Mr.Ron Raab, Mr.Neil Donelan and Ms.Saori Morita
 オーストラリア糖尿病協会(Diabetes Australia)が発行する雑誌「CONQUEST」2010年夏号に、途上国の糖尿病患者さんを支援する活動を国際的に展開している「インスリン・フォー・ライフ(IFL)」の活動が紹介されました。内容をご紹介します。日本の「国際糖尿病支援基金」はIFLを支援しています。

 IFLは、先進国で使われなくなったインスリンなどの医薬品や、血糖試験紙などを収集し、途上国の糖尿病治療に活用する活動を展開しています。

 地震などの災害時にいちはやく駆けつけ、現地の医療機関を通じて患者さんを支援する活動も展開しており、世界的に高く評価されています。国際支援の輪は、日本を含め世界中に広がっています。

インスリン・フォー・ライフ(IFL)の国際的な支援活動
Mr.Ron Raab, Mr.Neil Donelan and Ms.Saori Morita
(左)インスリン・フォー・ライフ(IFL)のRon Raab理事長
(右)同Neil Donelanさん
中央は国際糖尿病支援基金の森田繰織会長
2010年10月の来日時に撮影


エクアドルのBarbaritaで開催された糖尿病キャンプに参加した1型糖尿病の子供たち。日本の国際糖尿病支援基金もIFLを通じて支援を行い、キャンプが開催されました。


フィリピンでIFLが支援したインスリンや糖尿病の医療資材の受けとる医学生たち。
 途上国の多くは、医療機関が不足し十分な診断や療養管理ができないために、糖尿病のある子供の平均寿命が短いという深刻な現状をかかえています。

 たとえ糖尿病と適正に診断することができた場合でも、インスリンそのものが不足していて入手できないか、インスリンはあっても高価で利用できないケースが非常に多いのが現状です。

 血糖測定器や血糖試験紙など、血糖コントロールを改善するために必要な基本的な医療資材も不足しており、糖尿病患者さんは十分な治療を受けられません。

 そこで、「インスリン・フォー・ライフ(IFL)」は、先進国で使われなくなったインスリンなどの医薬品や、血糖試験紙などの医療資材を収集し、途上国の医療機関などに送付し、糖尿病治療に役立ててもらう活動を展開しています。

 IFLは、オーストラリアを拠点に活動しており、支援の輪は日本をはじめ世界中に広がっています。

 途上国の糖尿病患者さんは、医療保障制度が整備されていないために、高い医療費を払わなければなりません。インスリンは収入の半分を占めるほど高い医薬品です。

 そのため、多くの患者さんでインスリン療法を行えません。1型糖尿病患者にとって、このことは生きることを諦めなければならないことを意味します。

 IFLは途上国の糖尿病患者さんの日常の治療を支援しているだけでなく、洪水や津波、ハリケーン、地震のような自然災害が起こった場合の緊急時の支援も、国際糖尿病連合(IDF)と協力して行っています。

 これまでに、2009年のフィリピン台風災害、2004年のスマトラ島沖地震・津波災害、2005年に米国南東部を襲ったハリケーン・カトリーナ、2010年のハイチ地震などで、支援活動を展開しました。インスリンや血糖試験紙、注射器と注射針などが、災害が起きてから数日内に現地の医療機関に届けられました。

 IFLは、災害時の途上国での医療支援に合わせて、今後は現地の医療体制の整備や、医療スタッフの養成、糖尿病に関する適正な知識を広める啓発活動も重要だと考えています。

災害時にもいち早く駆けつけ
途上国の1型糖尿病さんを支援
 IFLの支援の輪は世界中に広がっています。現在はIFLの支援センターが、オーストラリアに含め、オーストリア、カナダ、ドイツ、オランダ、英国、米国に拡張されています。IFLオーストラリア本部は、広域を調整するセンターの役割を担っています。

 IFLの糖尿病支援プログラムによって、これまでに支援されたインスリンの総量は、2万5000(バイアル)x10(年)です。これは、毎年1700人の糖尿病患者さんが生きるために必要な量に相当します。同様に、血糖測定器や血糖試験紙などの医療資材も支援しています。

 IFL理事長のRon Raabさんは、この国際的な人命救助・支援のプログラムを、世界中に広めたいと考えています。オーストラリア在住のRaabさんは1957年に自身が1型糖尿病と診断されました。

 「先進国の多くで、毎日たくさんの医薬品や医療資材が消費され、廃棄されています。そのなかには、まだ十分に使える医薬品も多く含まれています。そうした医薬品や医療資材を途上国で再利用できれば、多くの患者さんを救うことができます。災害時の緊急支援にも活用することで、途上国で治療を適時行えるようになります」とRaabさんは述べています。

「dLife」が制作したIFLの活動を紹介するビデオ(YouTube)
画面をクリックすると再生が開始されます
 Raabさんは、IDFの副理事長を2006年まで務めるかたわら、1999年にIFLを設立し世界各地で糖尿病患者を支援する活動を継続しています。この業績が評価され、2008年にオーストラリア政府からメダル(OAM)を、2009年に国際糖尿病連合(IDF)から「糖尿病に関し顕著な活動により貢献した」として賞が進呈されました。

 IFLと国際糖尿病連合(IDF)が共同で2000年から実施しているプロジェクト「ライフ・フォー・チャイルド」では、途上国の糖尿病の子供を支援するとともに、医療体制の整備を目指して活動しています。

 このプロジェクトの中心パートナーとなっているオーストラリア糖尿病会議(以前はオーストラリア糖尿病協会)と糖尿病HOPE財団の協力のもと、現在、ボリビア、アゼルバイジャン、ネパール、ルワンダ、タンザニアなど、途上国を中心に28ヵ国の約4000人の子供と若者を支援しています。

 これらの国や地域で、糖尿病患者や医療スタッフを含む社会全体に対し、糖尿病についての適正な知識を啓発し、糖尿病の医療を整備し最低限の医療サービスを受けられるようにすることも、プロジェクトの重要な目的となっています。

インスリン・フォー・ライフ(IFL)
国際糖尿病支援基金

2011年02月
国際糖尿病支援基金
  • これまでに寄せられた寄付金
    1,508万9,280円 
  • これまでに実行した支援金
    1,455万2,541円 

(2019年04月現在)

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