インスリン自己注射ガイド

2007年06月12日

インスリンを効果的に使うには・・・

インスリン療法の目的

 糖尿病は血糖値が高くなる病気です。なぜ血糖値が高くなるのかというと、インスリンの量が少なくなるからです。

 インスリンが足りないために血糖値が高くなったのですから、インスリンを補ってあげれば血糖値を下げることができますね。ひとことで言えば、そのような目的で行うのが「インスリン療法」です。とても簡潔明快な治療法です。

インスリンは膵臓から分泌されているホルモンです。からだの中では何種類ものホルモンが分泌されていますが、その中で血糖値を下げるのはインスリンだけです。

なぜ、自分で自己注射するのでしょうか?

 ところで、病気の治療のために注射を受けるとき、ふつうは病院に通院して医師や看護師さんに注射をしてもらいますね。それなのになぜ、インスリンの場合は自分で注射する必要があるのでしょうか?

 その理由は、(1) インスリンは注射したあと、数時間で効果がなくなってしまうことと、(2) 血糖値は、食事などの影響を受けて時々刻々と変化していることの2点が関係しています。

 血糖値を高くならないように常時コントロールするには、毎日注射をする必要があります。しかも、血糖値の変動とインスリンの効果が上手い具合に噛み合うようにするために、注射する時間をほぼ決めておかなければいけません。

 このようなことは、やはり患者さんご自身で注射をしていただかないことには到底不可能です。毎日毎日365日、決まった時間に何度も通院するわけにはいきませんからね。

 インスリンを自分で注射するということは、入院せずに自由な生活を続けながら糖尿病をしっかり治療できるという、とても素晴らしい方法です。

インスリン注射の効果を最大限に生かすには

 そのように素晴らしい可能性をもったインスリン自己注射ですが、いくつかポイントを守ることで、より効果を高めることができます。このコーナーでは、医師から処方されたインスリンの効果を目一杯に生かすためのポイントを紹介します。

 なお、インスリン療法の効果を最大限にするということは、血糖値を、健康な人のそれに近付けるということです。つまり、血糖値を適正範囲まで“下げる”ということです。

「インスリン療法で血糖値を下げる」と聞くと、多くの患者さんが低血糖のことを心配されます。しかし、このコーナーでお話しすることは、インスリンがもっている本来の効果をしっかり発揮させるという方法です。

 ですから、注射方法が不適切なためにインスリンの効果を十分に発揮させられない場合、例えば高血糖の是正のために、本当なら必要ないインスリンをさらに追加する、という無駄をなくせます。それは、低血糖の頻度を少なくすることにもつながります。

[ DM-NET ]

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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