糖尿病の用語辞典


空腹時血糖値
 空腹時の血糖値。血糖値を左右する一番の要素は食事です。食事前の空腹時には血糖値は低く、正常と判定される基準値は110mg/dL未満です。糖尿病でも空腹時血糖値があまり高くない人がいますが、食後(ブドウ糖負荷後)の血糖値が高ければ治療が必要です。
 また、糖尿病でなく空腹時血糖値があまり高くなくても食後の血糖値が高い人が多く、このような人は血管障害が進みやすいことがわかっています。その注意を喚起するため、空腹時採血の検査だけで判定する場合(健康診断は通常この方法で判定します)、空腹時血糖値100以上110mg/dL未満を「正常高値」とし、全くの正常値と区別されます。血糖値が正常高値で血圧や血清脂質などほかの検査値も少し高い場合などには、糖負荷後の血糖値も調べる「経口ブドウ糖負荷試験」が勧められます。

熊本スタディ
 2型糖尿病でインスリン治療中の人を対象とした、熊本で行われた調査研究で、血糖コントロールと合併症の発症・進行の関係を調べたもの。インスリンを頻回に注射してよりよい血糖コントロールを続け、ヘモグロビンA1cを6.9%以下にしたほうが、合併症が発症・進行しにくいことが確かめられました。

クモ膜下出血 脳出血

グリコアルブミン
 血糖コントロールの指標の一つ。血糖が血清のアルブミンと結合した比率をみます。直近の2週間の血糖状態を強く反映し、成人の基準値はだいたい11〜16%です。

グリコーゲン
 肝臓に蓄えられている、数百個以上のブドウ糖が結合した物質。食べ物を消化吸収して得られたブドウ糖のうち、一部はすぐにエネルギーとして利用されますが、残りは肝臓でグリコーゲンに作り替えられて蓄えられます。空腹になるとこれが分解されてブドウ糖となり、血液中に放出されます。肝臓に蓄えられる量は50〜70gです。グリコーゲンは筋肉にも蓄えられますが、それは筋肉が収縮するときに使われるだけで、血液中に放出されることはありません。

グリコヘモグロビン ヘモグロビンA1c(HbA1c)

グリセミックインデックス
 ブドウ糖を摂取したあとの血糖上昇率を100として、それを基準に、各食品を同量摂取した際の血糖上昇率を百分率でした数値。日本語では食後血糖上昇指数と訳されています。グリセミックインデックスは、食物繊維の含有比率や調理法などによって異なります。食後血糖値の上昇を抑えるために、なるべくグリセミックインデックスが低い食材、調理法の料理を食べるほうが有利です。ただし実際の食後血糖値は、一緒に食べる炭水化物以外の栄養素の量、体調など、さまざまな要素に左右されるので、あまり考えても意味は少ないとの考え方もあります。

グリニド薬 速効型インスリン分泌促進薬

グルカゴン
 血糖値を上げるホルモンの一つで、膵臓のランゲルハンス島にあるα細胞で作られます。低血糖昏睡に陥って回復しない患者さんには、家庭内での応急処置として、グルカゴン製剤の注射が必要な場合もあります。

グルコース ブドウ糖

クレアチニン
 血液中にある老廃物の一種。腎臓で濾〈ろ〉過され尿の中に排泄されます。クレアチニンはおもに筋肉で作られるため、筋肉量が少ない女性では男性に比べてクレアチニン値が低くなります。

クレアチニンクリアランス
 腎臓の機を調べる検査の一つで、血液中と尿中のクレアチニンの量を比較するものです。糖尿病性腎症が進行すると、徐々にクレアチニンクリアランスが低下します。

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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