糖尿病の用語辞典


末梢神経
 からだの末端に伸び、全身に張り巡らさせている神経。糖尿病による神経障害はこの末梢神経に起こります。末梢神経には、感覚神経、運動神経、自律神経があり、障害された神経により現れる症状に差があります。なお、末梢神経は脊髄せきずいまたは脳の中枢神経につながっています。

末梢動脈疾患
 手足などの血管の動脈硬化が進行し、血管内径(血液が流れる部分)が狭くなり、そこから先に血液が通わなくなること。高血糖による大血管障害で起こりやすく、間歇性跛行〈かんけつせいはこう〉などを招きます。

マルチプルリスクファクター症候群
 シンドローム・、死の四重奏、インスリン抵抗性症候群、内臓脂肪症候群など、血糖や血清脂質、血圧の異常が重複することで動脈硬化が促進される状態を現した概念の総称。現在のメタボリックシンドロームは、これらの概念を整理し、最初の原因として内臓脂肪蓄積に注目するかたちで定義づけられました。

慢性合併症
 高血糖が長期間続くことにより起きてくる、新たな病気のこと。三大合併症と呼ばれる網膜症、腎症、神経障害のほか、動脈硬化、動脈硬化による虚血性心疾患、脳血管障害、間歇性跛行〈かんけつせいはこう〉など多々あります。慢性合併症のおもな原因は、高血糖や高血圧の持続によって起こる血管障害です。

慢性腎臓病
 糸球体腎炎や糖尿病性腎症といった詳しい原因を問わず、腎臓の働きが慢性的に低下した状態を指す病名です。蛋白尿がみられるか糸球体濾〈ろ〉過量 60mL/分/1.73m2未満が3カ月以上続いているときに診断されます。腎臓の病気はかなり悪化するまで自覚症状が現れず、心臓や血管の病気との関連も深いことから、その早期発見と早期治療の重要性を明確にするために、新たな病気の概念として定義されました。

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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