「妊娠糖尿病診断基準」変更について

「妊娠糖尿病診断基準」変更について


日本糖尿病・妊娠学会会員各位
日本糖尿病・妊娠学会
理事長 中林正雄
妊娠糖尿病診断基準検討委員会
委員長 平松祐司

 HAPO studyをもとにInternational Association of Diabetes and Pregnancy Study Groups(IADPSG)から提唱された妊娠糖尿病の世界共通診断基準につき、昨年末から日本産科婦人科学会、日本糖尿病学会とも協議し検討してきました。その結果、下記のように決定しましたので報告いたします。
定義:
 妊娠糖尿病gestational diabetes mellitus (GDM):妊娠中にはじめて発見または発症した糖尿病にいたっていない糖代謝異常である。妊娠時に診断された明らかな糖尿病(overt diabetes in pregnancy)は含めない。
診断基準:
 妊娠中に発見される耐糖能異常hyperglycemic disorders in pregnancyには、1) 妊娠糖尿病gestational diabetes mellitus (GDM)、2) 妊娠時に診断された明らかな糖尿病overt diabetes in pregnancyの2つがあり次の診断基準により診断する

1)妊娠糖尿病 (GDM)
75gOGTTにおいて次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。
  1. 空腹時血糖値 ≧92mg/dl (5.1mmol/l)
  2. 1時間値 ≧180mg/dl (10.0mmol/l)
  3. 2時間値 ≧153mg/dl (8.5mmol/l)
2)妊娠時に診断された明らかな糖尿病 overt diabetes in pregnancy
以下のいずれかを満たした場合に診断する。
  1. 空腹時血糖値≧126mg/dl
  2. HbA1C ≧6.5%(HbA1C (JDS) ≧6.1%)註1
  3. 確実な糖尿病網膜症が存在する場合
  4. 随時血糖値≧200mg/dlあるいは75gOGTTで2時間値≧200mg/dlの場合*
    *いずれの場合も空腹時血糖かHbA1Cで確認
註1.国際標準化を重視する立場から、新しいHbA1C値(%)は、従来わが国で使用していたJapan Diabetes Society (JDS)値に0.4%を加えたNational Glycohemoglobin Standardization Program(NGSP)値を使用するものとする。

註2.HbA1C< 6.5%(HbA1C(JDS)<6.1%)で75gOGTT 2時間値≧200mg/dlの場合は、妊娠時に診断された明らかな糖尿病とは判定し難いので、High risk GDMとし、妊娠中は糖尿病に準じた管理を行い、出産後は糖尿病に移行する可能性が高いので厳重なフォローアップが必要である
検討委員会メンバー
委員長:平松祐司
理事長:中林正雄
産科:杉山 隆、安日一郎
内科:大森安恵、穴澤園子、清水一紀
(2010年6月21日)

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