■ 今、話題のGI値って何?
とうゆうニュース編集委員
横浜船員保険病院梅澤 眞由美
最近、テレビや雑誌でGI値(グリセミックインデックス)がよく取り上げられています。GI値の低いものを食べていれば、糖尿病が治るということまで信じている方がいます。そこで、GI値とは何なのか本当に糖尿病が治るのか、といったことを取り上げてみました。
- G1値とはいったい何のこと?
1981年にカナダのジェンキンス氏らが、同じ量の炭水化物を含んでいても、食品によって摂取後の血糖値の上昇が違っていることを発表しました。これを表す方法として、基準となる食品(白パン・ブドウ糖等)と同量の炭水化物を含む食品を食べた後の2時間後までの血糖の上昇を比較して数字に置き換えたものをグリセミックインデックスといいます。この数字が高いほど、糖が血液中に入る速度が早くなり、血糖値が早く上昇することになります。
- 糖尿病が治るって本当?
残念ながら、GI値の低いものを食べることにより、糖尿病が治るということはありません。
食後の急激な血糖上昇は、すい臓ランゲルハンス島のβ細胞に負担をかけるため、糖尿病のコントロールにはよくありません。そこで、海外では、この数値を利用して食品を選ぶことにより、コントロールを良くしょう、という取り組みが行われていますが、治ってしまうわけではないのです。
- G1値の低いものだけ食べていればよいの?
肉・魚・乳製品・油・海藻等はGI値が低い物ですが、これらの食品のみ選んでいては必要な栄養素が摂れません。必要な栄養素を過不足なく摂るために、主食・主薬・副菜を組み合わせて食べましょう。
- G1値は、役に立たない?
そのようなことはありません。同じ食品でも、調理法や他の食品との組み合わせでGI値は大きく変わりますので目安として利用するとよいでしょう。
いずれも吸収を遅くする工夫です。これらの情報を、上手に利用して食生活をバランスよく、豊かに過ごしましょう。
- 長く茹でたり、すり下ろしたりするとGI値は上昇する。
例) 果 物 → ジュース 茄ポテト → マッシュポテト アルデンテのパスタ → 茹ですぎのパスタ
- 他の栄養素との組み合わせでGI値が下がる。
例) ●炭水化物+たんぱく質
パンだけ食べるよりパンと牛乳、チーズを組み合わせる方が、血糖の上昇は緩やかになる。
●炭水化物+食物繊維
パスタにきのこ類を組み合わせる。
●炭水化物+脂肪
白飯よりチャーハンのほうが血糖の上昇は遅い。(摂取カロリーは、チャーハンのほうが高い)