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間食のエネルギー量、炭水化物量をチェックしましょう
 「間食指導の情報ファイル」では、糖尿病患者さんが上手に間食を摂取するにはどうしたらよいかを考えてきました。間食指導のポイントとして、患者さんの状態や指示エネルギー量等に合わせた、摂取量や頻度、食べるタイミング、食品選択などが挙げられます。なかでも食品選択の面では、患者さん自身、嗜好や欲求と指示エネルギー量に、何とか折り合いをつけながら食事療法を行っているのではないでしょうか。そこで、ここでは食品選択の参考として、主な間食のデータをまとめました。すでに一般化しているエネルギー量のチェックはもちろんですが、今回は、血糖値に大きく影響を及ぼす炭水化物(糖質)の目安も記載しました。市販のお菓子や飲料のパッケージに表示されている成分表示を見る際、エネルギー量や脂質量などとともに、炭水化物量をチェックすることも、食品選択やその摂取量を計る1つの目安になればと考えます。

炭水化物とは
 間食は、基本の食事以外に食べるプラスαを言いますが、人によっては間食を食べ過ぎて肥満を助長したり、血糖コントロールを乱す原因となってしまう危険性があります。また、炭水化物の含有量が高いものが多いことから、食後高血糖も危惧されるところです。

   食品は、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素で成り立っており、そのうちの炭水化物、たんぱく質、脂質を「3大栄養素」と呼びます。炭水化物は糖質と食物繊維で構成されており、この中の食物繊維は血糖値の上昇に影響は及ぼしません。またその含有量は少ないので、炭水化物量=糖質量とみなされることが多いようですが、正式には炭水化物量=糖質量+食物繊維量です。ですから、ここでは、炭水化物=糖質としてお考えいただければと思います。

 さて、炭水化物は、人が1日に必要とする摂取エネルギーの55〜60%(脂質は20〜25%)を占めています。炭水化物のほとんどが、食後速やかにブドウ糖に変換されるので、食後の血糖値に大きく影響を与えます。炭水化物量の高いものは食後速やかに、大きく血糖値を上げています。一方、脂質やたんぱく質も血糖値に影響を与えますが、その波は炭水化物とは異なります。

 実際、菓子原料のみを摂取し、血糖変動をみるテストを行ってみました。下記グラフをご覧になると一目瞭然ですが、穀類や砂糖などの糖質原料は血糖値を上昇させましたが、バターや卵では上がりませんでした。


炭水化物には、どのようなものがある?
 摂取する食品の炭水化物量を把握し、その適正な量をバランスよく摂取することは、血糖コントロールを行う上で大切です。炭水化物を含む食品には、以下のようなものがあります。主食や芋・豆類などの野菜の他、おやつに使用される素材が多いことがわかります。

【炭水化物を含む食品】
  • でんぷん系:穀類、パン、麺、シリアルなどの主食となるもの。でんぷん質の多い野菜(芋類、カボチャ、豆類)
  • 果糖系:果物、野菜ジュース、はちみつ、果糖が含まれる飲料
  • 乳糖系:牛乳、ヨーグルト、これらを利用した食品(チーズは除く)
  • ショ糖系:砂糖が入った食品や飲料
  • その他:無脂肪の食品など
【炭水化物をほとんど含まない食品】
  • 肉、魚介類、卵などの動物性たんぱく質からなる食品
  • チーズ類
  • マーガリン、バター、生クリーム、マヨネーズなどの油脂からなる食品
  • 落花生、ナッツなどの種実類(注;栗は炭水化物を多く含む)

【カーボ数と炭水化物量】

カーボとは?
 カーボとは、英語で炭水化物(Carbohydrade)という意味です。諸説あるようですが、ここでは1カーボ=炭水化物量15gで計算します。

 1日に必要とする炭水化物量の55〜60%が適量と言われていますので、指示エネルギー量の60%として計算した場合、1800kcalの場合1080kcal、よって1080kcal/4kcalで、炭水化物量270g(18カーボ)となります。これを1日の炭水化物量をバランス良く配分するというわけです。毎食摂取する炭水化物量の適量を把握しておけば、間食するならどの程度が許容範囲かといったことも目安となります。

 インスリン療法を行っている方には、すでにこのような「カーボカウント」をご存知の方も多いのではないかと思います。しかしここでは、食事療法のみの患者さん、薬物療法の患者さんなどへも広く、食品における炭水化物について興味を持ってもらうために、カーボカウントの方法論についてはあえて詳述しません。


まずは、成分表示をチェック!
 まずは、間食となる食品が、どの程度のエネルギー量、カーボ数(炭水化物量)なのかを知ることから始めましょう。市販食品の成分表示を手当たり次第にチェック!いろいろな食品の表示を見ているうちに、食品にはどのような素材が使われているかを知り、その量を把握できるようになります。ただし、炭水化物が血糖値を上げるからといって、極端に減らすのは問題です。たんぱく質や脂質などとともにバランス良くが鉄則です。


監修・食べ方解説:佐野喜子(国立病院機構京都医療センター1型糖尿病外来栄養指導担当)
糖尿病患者さんの間食指導、私の場合:管理栄養士さんに聞きました(第5回)

各データについて
【食品別にみる血糖変動の一例】  データは、血糖コントロールが良好な境界型糖尿病の男性(52歳、175cm・65kg・BMI22、境界型糖尿病歴8年、食事療法・運動療法のみ)に、医師の指導・管理のもとテスト的に実施した一例です。グラフは、対象食品(1食分)を摂取してもらい血糖自己測定を行ってもらったデータから作成。データは、被験者の体格、体質、治療法、体調やテスト前の食事など、様々な影響とともに反映されています。同じ食品でも、摂取した患者さんのプロフィールや体調、摂取した商品の原材料、重量などによって、血糖変動は変わります。なお、摂取した食品は、下部の「カロリー&カーボタワー」「おもな食品のデータ」に紹介している商品と同一のものではありません。

【カロリー&カーボタワー】  表示したカロリー(エネルギー量)および炭水化物量は、商品に表示されている数値をもとに明記しています。カーボ数は、商品に表記されている炭水化物量から15g(1カーボ)で割った数字です。

【おもな食品のデータ】  比較的手に入りやすい商品を選び、一般的に考えられる1食分について、表示されている数値をもとに表記しています。

カーボカウントに関する参考書
カーボカウントナビ(エクスナレッジ、2010年)
はじめてのカーボカウント(中外医学社、2009年)
よくわかるカーボカウント(中外医学社、2008年)
糖尿病患者のためのカーボカウント完全ガイド(医歯薬出版、2007年)
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