糖尿病患者さんの間食指導をどうする?

I. 「糖尿病患者さんの間食」、どう思いますか?

5) 行事やお付き合い・・"社会的なおつきあいのお菓子"はどう扱う?

2009.09.30

浜野:少しまた話は変わりますが、お菓子って、当人の嗜好だけでなく、社会的な側面もあると思います。会社で3時のおやつタイムがあったり、お土産のお菓子を分け合うとか、誕生日のケーキ、等々、人との“おつきあい”の部分で直面する機会は非常に多い。こういった“社会的なおつきあいのお菓子”は、先生方はどのように扱うよう指導しておられますか?
加藤:職場でお菓子がでてきてもすぐに食べず、持って帰り家族にあげるか、社内のどなたかにあげるという方法があります。基本的には食べずにいられるなら食べないでおくのがベスト。
 例えば、誕生日にはホットケーキミックスと卵・牛乳をかき混ぜて、ケーキ型に入れオーブンで30分ほど焼きます。粉砂糖かココアパウダーをかけ、まわりにフルーツを飾り、キャンドルを立てれば素敵なケーキになりますよ。現在、小児1型糖尿病でも肥満の子が増えてきています。これは社会全体に肥満を作り出す原因があるからではないでしょうか?
吉田:行事食は、頻度が少ないのであればいいですけど、誕生日会が毎月何度もあるような環境であれば、ちょっと考えなくてはならないですね。容認派とはいえ、プラスするだけでは体重が増えるだけなので、その食事の前後で調節するなり、運動を増やすなり、どう調節するかをきちんと意識する必要があります。
 「食育」という面でいえば、子供の頃から、食事に対して良い習慣をもっていないと、何十年後に糖尿病が発症したという際も軌道修正が難しいですよね。ですから、例えば、自分の子供が友達と遊びに行く時は、おやつとして茹でたとうもろこしとか、食べて良い量をお友達の分までもたせます。このおやつを食べようと、みんな一緒に食べさせる。いわゆるスナック菓子が食べたくなったら、袋ごとではなく、小さいタッパーに入れてもたせます。友達と分け合うので1人2〜3個で済んでしまう。それで今日は終わり、とすれば、みんなが肥満にならずに済みますよね。まわりのお母さん達も、こういうのでいいのね、と覚えてくれて、理解が得られるようになったり。小さなコミュニティですけど、それも食育。こういうことが、底辺から広がればいいなと思っています。
浜野:『いつまでもデブと思うなよ』という本がありましたが、あの方も、コンビニのメロンパンの前で涙したと書いてらっしゃいましたよね。大好きだったメロンパンが、もう一生食べられないのか!と。糖尿病ネットワークで行ったアンケートでも、街で甘い香りのするお店を通り過ぎる時、何度も涙したというコメントもありました。こういうことを、少しでも解消していただけるよう、この企画で何か良い提案をしたいところです。

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