糖尿病患者さんの間食指導をどうする?

III. 「効果的な間食指導」とは何かを考える

5) 空腹感を感じたときの解消法

2009.11.13

浜野:空腹感を感じたときの上手な解消法は、何かありますか? もうひとつは、間食をする場合のタイミングについて。よいタイミングと悪いタイミングを教えてください。
加藤:食べてはいけない、という部分では、お酒を飲んだ後の締めのラーメンとか、夜中の食事。食べたいときにどうやって抑えるか? それは理性しかない。
浜野:理性で考えられるように、いかに悪いかを教えてあげることが効果的ということ? ガムはどうですか?
加藤:人によると思います。私の経験で言うと、ガムを食べる人やノンカロリー飲料を飲む人は肥満の人が多い。だから、口の中に何も入れない、口の中をスッキリする、というのを味わってみてください、と言います。たまに歯のチェックをすると肥満の人は口の中が汚い方が多い。歯がきちんと磨けていないとか歯周病があるとか。
吉田:ガムについて言うと、キシリトールとか数値的に上がらなそうなイメージですが、血糖測定前に食べたら、血糖値がすごく上がってしまって、これは何だ!!という例(教育入院中)を過去に3例経験しました。だから、人によっては、上がる人は上がる、と思っています。ただ、タバコをやめてすぐ後とか、間食をやめてガムにしたんだけどどうだろうという、前の習慣よりはいいよね、という部分はあります。ただ、血糖抜きにして、体にいいかどうかは別問題だから、徐々に減らせるものなら減らしたほうがいいけれど様子を見てという感じです。
 どうしても我慢ができないとき、どうしてその時間に食べたくなるのかを考えるのが先決だと思っています。
 例えば、昼をざるそばにしたために、ちょうどおやつの時間にお腹がすいてしまう、とか。そういうときは、お昼ご飯から改善していかないといけない。お昼ご飯はちゃんと食べているんだけど、仕事で夕食が遅くなってしまうから、夕方の5〜6時頃食べたくなってしまう、のであれば、思い切って昼食の量を増やしてみる。もしくは、加藤先生がおっしゃったような、補食的に、栄養バランスが崩れず血糖値が上がりにくそうな食品。
 肥満がある方は、食べた後に血糖値が上がってしまうけれども、先におにぎりを食べておいて、夕食のご飯を減らしてそれ以外のものを食べる等、分食のような方法。
 さらに、夕食後に食べたくなってしまう方についても、どうしてその時間に食べたくなってしまうのかをまず考えます。ストレスとか、食事のバランスが崩れていると、自由な時間になるとつい食べたくなってしまう等が考えられます。割と3食のバランスを改善しないと夕食後の夜食をやめられない方が多いので、3食を見直すと落ち着くということもあると思います。ですから、夜食の話をする前に、私は食事バランスの話をすることが多いです。
加藤:クセや惰性で食べている方も多いですね。いつもの時間につい冷蔵庫に手がのびる。
吉田: 最近、インフルエンザでマスクが流行っていますが、マスクは取らないと口に食べ物を入れられないので、無意識に食べていた間食が減ったという方もいましたね。ダイエット中は、マスクを着用するというのも手かもしれませんよ。テレビやPCを見ながら無意識に食べてしまう方など、危ないと思ったらマスクをしてみては?
浜野:やはり、きめ細かく洗い出すことが大事ですね。たいていの患者さんは「食べてない」と言いますから。“無意識だった”ということもありえますからね。では、間食がやめられない人は、加藤先生がおっしゃる補食のような方法を、食事療法の一環として指導するということ。そして、基本3食を見直すということが大事ということですね。

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