糖尿病患者さんの間食指導をどうする?

III. 「効果的な間食指導」とは何かを考える

8) 間食指導抜きに、食事指導はありえない

2009.11.13

浜野: 栄養指導の場で、お菓子の相談する患者さんというのは意欲がある方だと思うんですよね。ポジティブに考えながら結果が良くなっていけば、患者さんと二人三脚で歩んでゆく感じでよいのだけど、なかには、その記録に信憑性のない方もいらっしゃいます。
 そういう方は、「時間がない」「今日はいい」「わかってるからいい」「どうせいつもと同じことを言うだけでしょ?」とおっしゃって栄養指導を受けて帰らないことが多かったりします。アンケートで、“指導を受けてない”と回答する方が多かったですけど、なぜなのでしょうか。
加藤:間食指導を受けていないと回答した方は、食事指導自体も受けてらっしゃらない可能性は高いと思います。
浜野:ということは、“間食指導抜きに、食事指導はありえない”という部分もありますか?
加藤:そうですね。肥満のある患者さんはとくに、間食の問題を抱えていることが多いですから、そこを押さえておかないと、根本的な改善は望めないのでは。
浜野:食事指導も、まだ全体の実施件数が足りないのではとも感じますが?
吉田:それは大きな問題と言えますね。
加藤: 医者は診療報酬上、1人5分以上で外来管理加算を取れます。でも、栄養士は1人15分以上必要です。集団指導は45分以上。しかし実際、15分では指導は終わらないので、1人30分の枠を取ります。指導後、カルテにまとめたり、分析したりすると1人短くても45分〜1時間かかることもある。医師が1人の患者さんを診る時間に追いつかない現実が、実際はあるのです。
浜野: 指導方法や時間だけの問題ではない部分もありますね。今回の企画を通じて、無料の間食指導ツールを作成しようと企画していますが、手の届かない所に少しでも情報提供ができるようになることが期待されますね。先生方、このたびは貴重なお話を有難うございました。
 この座談会で出された、間食指導に関しての考え方やたくさんのヒントを、療養指導の現場でご参考にしていただくとともに、ご感想などがございましたら、糖尿病ネットワークの本連載宛にお送りいただけますと幸いです。

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