インスリンポンプ情報ファイル
インスリンポンプ療法体験談 体験者の声 PART2
胸ポケットの安心
投稿者:H・H さん
主治医:増田 光男 先生
(芙蓉会村上病院 糖尿病内科)
作品テーマ
1日の過ごし方や血糖コントロールの工夫
H・Hさんのプロフィール
年 齢
42歳
性 別
男性
病 態
1型糖尿病
糖尿病歴
25年
CSII療法歴
1年
使用製品
ミニメド620G

 私は17歳で1型糖尿病を発症し、現在病歴25年になります。
 私がSAPを使用した理由は血糖値がリアルタイムで見られるという点です。いつでも血糖値を見られるという安心感があり、血糖値の事を考えずに仕事や生活できるので大変満足しています。

使用してみて、私が感じているメリットとしては、

  • 血糖値がリアルタイムで見られるので血糖値を低めに不安なくコントロールできる。
  • 時間ごとに基礎インスリンが変更できるのでコントロールしやすくなり、捕食する回数が減りました。
  • 寝ている時は低血糖になる直前にアラームが知らせてくれるので、低血糖になる前に起きることができる。
  • 職場や外食時にはトイレなどに行かなくても、その場で人目を気にせずにインスリンが打てる。
  • 注射だと打ったかどうか忘れる事あるのですが、注入時間が記録されているので打ったかどうかを確認できる。

デメリットはあまりないと思うのですが、少し気になる点は

  • インスリンポンプの携帯の場所を服装によって考えなければならなく、私の場合は胸ポケットに入れて使用しているので胸ポケットのある服が必要。
  • 最初の頃は、電池交換やチューブ交換などでアラームが頻繁に鳴るのが気になっていましたが、最近はあまり気にならなくなりました。

 インスリンポンプを使用するまではトレシーバ、ヒューマログを使用していました。以前はインスリンを1日32単位くらい使用していましたが、現在は1日約23単位。HbA1cは6.2%から6.9%をいったりきたりでしたが、現在は6.2%くらいで安定しています。

 個人的な感想としてはメリットの方が大きく、大変満足しています。インスリン療法を行っている方で、もし今の治療に満足しない点があるなら是非、SAPを試してみるべきだと思います。

主治医より
増田 光男 先生
芙蓉会村上病院 糖尿病内科

 H・Hさんは17歳の時に1型糖尿病を発症し、病歴25年になります。発症から進学、就職、結婚とこれまでいくつかのイベントを迎えながら、立派に成長してこられた方です。薬剤師という職を選択し、家庭では子供たちの良き父親です。

 これまで、1日4回の強化インスリン療法を続け、HbA1c6%台を維持、低血糖もほとんどなく血糖コントロールは良好に経過していました。糖尿病の合併症もありません。

 リアルタイムで血糖値を知ることができるインスリンポンプのことを話したところ、是非自分でやってみたいとの希望がありました。理由はリアルタイムで血糖値を知ることで、低血糖や高血糖の不安を減らすことができ、仕事や家庭での生活にゆとりができるからとのことでした。

 SAP導入に当たり、当科では通院中の1型糖尿病の方に声掛けしたところ、インスリンポンプとSAPについての体験学習会には多数の方が参加してくれました。その中にH・Hさんがおられ、会終了後すぐにポンプ治療とSAP導入を希望されました。1週間後に外来でポンプとSAP導入となりましたが、理解力もよく、コールセンターを何度か利用しながらtry & error で治療が始まりました。

 インスリン量を減らしての導入でしたが、初期には追加打ちで低血糖が少し見られました。その後は特に大きなトラブルもなく経過しています。絶食試験による基礎インスリン量の調整や糖質量を考慮してのボーラスも次第にうまくできるようになってきました。ポンプとSAPが毎日の生活ですので、現在では我々医療スタッフより熟知し、逆に我々が教えてもらう状態です。

 SAP導入は血糖コントロールだけでなくQOLの面からも大変有用な手段だと思います。糖尿病の治療は年々進歩しています。新しい治療への積極的なチャレンジも大切です。

導入医師データ
増田 光男 先生
芙蓉会村上病院 糖尿病内科
CSII導入患者数(年間)
4名(2015年)
CSII療法導入歴
31年
どのような患者さんに導入を勧めますか? 選択のポイントを教えてください

■CSII:
1型糖尿病で血糖変動の大きい方、糖尿病合併妊娠。
ポンプの操作ができ、ポンプのある生活にうまく付き合っていける方。

■SAP:
リアルタイムで血糖値を知ることにより血糖コントロール、QOLの改善が期待できる方。

CSIIやSAPでメリットに感じていること、また、CSII導入手順等を教えてください

■メリット:
血糖コントロールの改善、高血糖・低血糖の不安解消、QOLの改善。

■導入手順:
まず、機器を見て、触って、操作してみていただいて使用を検討いただく。導入は外来、入院いずれでも可。

導入に際しての課題、悩みなど
CSIIで治療しSAP導入を検討している方でも、経済的負担が大きいため実施に 踏み込めない人がいる。
院内糖尿病チームの患者さん指導体制のステップアップ。
ホームページURL
芙蓉会村上病院 ▶

2016年01月 公開

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