糖尿病Q&A1000

Q.743 Q.739で、「小児や若年者の2型糖尿病は学校の検査で尿糖陽性を指摘されて発見されることが多い」とのことでしたね。だとしたら、糖尿病が見つかった後、治療を受けて尿糖が陰性になれば、糖尿病が治ったと考えてよいのではないでしょうか?

 尿糖が陰性であることが糖尿病が治ったことを示すものではないということについては、このコーナーで何度かお話ししました。現在一般に行われているテストペーパーによる方法では、血糖値が170mg/dL前後以上になって初めて尿糖が現れる(陽性になる)ようになっています。尿糖が陰性を示す血糖値である170mg/dLより低いからといって、糖尿病合併症が出ないという保証はありません。しかも血糖値は糖尿病の人でも食事の前は健康な人と同程度に低いことが多く、その時に尿検査を行ったのみでは、食後の高血糖を見逃してしまいます。
 尿糖が陰性であるということは、単に「採尿の前の数時間は血糖値が極端に高い状態ではなかった」ということを示すだけです。尿糖が陰性になったからといって、糖尿病が治ったと安心はできないのです。
2006年05月17日

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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09-3 小児・若年者2型糖尿病についてのQ&A

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