災害に備えて

2011年08月15日

はじめに

 東日本大震災で被災された方々の苦難・心労を思い、謹んでお見舞いを申し上げます。
 いつかは地震が起こるだろうと、覚悟をしていましたが、過去100年において、世界でも指折りの巨大地震が現実のものとなり、信じられないほど多くの貴重な物を失いました。しかし日本に住んでいる以上、いつまでも打ちのめされているわけにはいきません。

 今回の災害を目の当たりにして得た教訓は「自分の安全は人任せではいけない」と言うことです。偶然や運といったどうにもならない要素もありましたが、心の準備も含めて、災害時の備えがあったか、危険を回避するために正しい行動を取れたかが、生死を分けたのです。

アンケート調査から浮かんだ災害への準備不足
 「糖尿病ネットワーク」で行ったアンケートの一部を紹介します。患者さんに対するアンケートでは287人から回答がありました。「災害時の準備や対策を行っていますか?」との問いに対し、56%が特に行っていないと答えています。また「医療機関から災害時の指導を受けたことがありますか?」との問いに対し87%の方が指導を受けていないと答えています。

 医療機関が糖尿病患者会で指導をしても、参加しなかった方まで伝わりにくかった状況が容易に想像されます。当院では以前から作成してあった「災害マニュアル」の内容を検討し、心構えに関し患者・スタッフが一緒になって検討する会を開きました。参加者は非常に熱心でしたが、これを不参加者に充分伝えることが課題だと感じています。

 糖尿病の災害対策への見直しは厳格にすべき状況となりました。今回はその時に内容を見直した「当院災害マニュアル」を元にして、糖尿病患者さんにおける災害対策に絞って記載いしたします。各医療機関と内容が異なる場合にはそちらに従って頂ければと思います。

[ DM-NET ]

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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