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第65回米国糖尿病学会(ADA)に参加 1

2005年06月
 6月11日から14日まで、米国カリフォルニア州サンディエゴ市で開かれた、ADA会議に参加してきました。ロン・ラーブさんを始めとするインスリン・フォー・ライフ・オーストラリア(IFL)のスタッフの方々や1型糖尿病のパイロット、ダグラス・ケアンズさんとの再会。元ミスアメリカのニコール・ジョンソンさんとも“再会”しました。

入国時の検査

 米国へ入国する際に写真を撮られ、指紋も取られるなど、今までにない体験もしました。

 また、飛行機へ乗る際にスーツケースを開けられ、厚めの本を全て取りだされ別途検査を受けたり、目覚まし時計の電池を抜くように言われたり、上着・靴も脱いで金属探知機を通らなければならなかったりと、今まで経験したことのないほど物々しく、厳重な検査も受けました。これだけ厳しい検査なら、テロに遭う危険もないと逆に安心しました。旅立つ3〜4日前にロン・ラーブさんから、「英国航空がインスリン保持者を搭乗拒否した」という記事が送られてきたので、少々心配でした。

 そして、これだけ厳しい検査にもかかわらず、インスリンは全く問題になりませんでした。ペン型注射器は、結構大きな金属の塊だと思うのですが・・・・・・。

ダイアベーティスミール(機内食)


低血糖対策用に、ケーキではなく、後に取っておけるようにクッキーが付いています。

着陸前の軽食。フレンチトーストは残してしまいましたが、フルーツをつまみ、ベーグルと水はテークアウトしました。

ポレンタの拡大図

ランチョンパーティーのメーンディッシュ
 機内食は、いつものようにダイアベーティスミールを注文しました。今回利用した航空会社はユナイッテッドでしたが、特に別料金を取られませんでした。今までの経験ですと、ダイアベーティスミールと言っても、総カロリーは通常食よりも低いものの、血糖の上昇と言う点からすると、あまり効果がない内容の食事だったのですが、流石、“糖尿病先進国”アメリカの航空会社だけあって、今までのダイアベーティスミールの中では、一番血糖上昇及び低血糖対策を考慮した内容でした。

 それから、私がそれまで食べたことのなかった「ポレンタ」という健康に良いとされる穀物が含まれており、結構、私好みの味で、美味しく食べることができました。

 低血糖対策用にケーキではなく、後に取っておけるようにクッキーが付いています。

 何処かの航空会社のように、「インスリン注射は必ず洗面所で」という指示も出ませんでした。

 着陸前の軽食。フレンチトーストは残してしまいましたが、フルーツをつまみ、ベーグルと水はテークアウトしました。

サンディゴに到着

 会期中、街には広告塔が走り回っていました。この他にも、トラックの荷台にヒューマログの大きな広告を載せたものも見かけました。会議への参加者は、約2万人と言われ、サンディゴ市にかなりの経済効果をもたらしたと思われます。ホテルの食堂で声を掛けられたオーストリア人夫婦から、「宿を取るのに非常に苦労したのだけど、一体、何のイベントが開かれているの?」と尋ねられました。

 空港に着き、ホテルでチェックインを済ませ、荷物を置いたら直ぐに会場へ行きました。今回は、インスリン・ライフ・オーストラリア(IFL)の名誉スタッフという形で“オーストラリア人”としての参加となりました。IFL・オーストラリアのブースで、ロンさん、ニールさんと再会し、前回訪ねたときに会えなかったフェイさん、アリシアさん、IFL・ドイツのハイディさんと会いました。ブースには、我らがInternational Diabetes Aid Fund Japanこと国際糖尿病支援基金の英語版資料も置き、存在をアピールしました。

 色々な国の人たちがブースを訪れましたが、支援側となる所謂先進国の人たち(ほぼ全員が白人)と受益者側になるいわゆる途上国の人たちという構図になっていることに改めて気付かされました。しかしながら、嬉しいことに、支援者側になることに関心を寄せてくれた、韓国人・中国人の来訪者がありました。

 特に韓国では、皆、支援することに関心は持っていても、実際に活動しているグループがなく、ぜひ、参考にしたいということでした。現実的に欧米諸国が支配している領域に、アジア人が積極的に参加し、支援する側に回ることができる日が、遠くない将来に実現するかもしれないという期待を持つことができました。
©2005 森田繰織
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