北日本新聞 2000年(平成12年)9月5日


小児糖尿病もっと知って

 知っていますか?子供の糖尿病―。県内で、血糖値管理やインシュリン自己注射が必要な「小児(T型)糖尿病」の受け入れをしり込みする幼稚園や学校が目立つ。保護者や医療関係者らからは「血糖のコントロールさえできれば問題はない。病気や対処法を理解し、必要以上に過敏にならないでほしい」との声が上がっている。

 
  学校 受け入れ消極的 県内

    血糖管理すれば生活に支障なし

 糖尿病は二タイプある。中高年に多く、国内の糖尿病の九八パーセントを占めるU型と違い、T型はゼロ歳児から思春期に発症するケースが大半だ。生活習慣や肥満度にかかわらず、血糖値を正常に保つインシュリンの分泌が突然なくなる。
 一日二―四回程度のインシュリン自己注射が必要だが、食事前や運動直後などに、逆に血糖値が必要以上に下がることがある。糖分を取れば回復するが、放置すると引きつけやこん睡を招く恐れがある。
 小学校入学前後から徐々に自分で血糖測定や注射を練習する。それ以前は幼稚園や学校の協力が必要だが、対応はまちまち。養護教諭ら現場の理解度や熱心さが、学校生活を円滑に送れるかどうかのカギを握る。
 県東部のT型糖尿病の男児(四つ)は、地区の公立保育所に、糖尿病を理由に受け入れに難色を示され、母親(三二)が付いてくることを条件に入所した。母親は「保育所や学校が、病気や対処法に理解があれば」と漏らす。
 幼稚園の時に発症した高岡市の小学二年の女子児童(八つ)は、保護者や主治医が入学前に病気について説明したところ、学校側から「何かあったら責任を取れない」と、血糖測定やインシュリン注射、低血糖時の対応を断わられた。注射のために祖母が毎日、保健室に通っている。
 幼稚園では毎週、弁当を持って散歩に出掛けていたが、学校の遠足は保護者の付き添いを要求された。父親(三四)は「糖尿病の子供が毎日注射を打つのは、かぜの子が薬を飲むのと同じ感覚。特別扱いしないで」と訴える。
 毎夏、小児糖尿病患者と関係者が集まる「富山小児・ヤング合同サマーキャンプ」が開かれており、今年は岐阜県の乗鞍で保護者らが学校生活の問題を話し合った。「糖尿病と話すと『甘い物ばかり食べさせたの』といわれショックだった」、「子供が低血糖症状を訴えても甘えていると判断され、症状が悪化した」など、日ごろの悩みや不満が噴き出した。
 主催する富山小児・ヤング合同糖尿病委員会代表の高桜英輔黒部市民病院長は、「養護教諭のキャンプ参加、入学前に保護者と学校、主治医の三者懇談の実施を県教委に求めたい。何より理解が大切だ」と話している。



 

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