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2005年09月19日

患者のウエスト周囲径を測っている医師は26%

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 過剰な腹部脂肪と心臓病のリスクについての認知度を調べた国際調査「Shape of the Nations」の結果が、9月25日の「世界ハートの日」(World Heart Day)を前に、世界心臓連合(World Heart Federation)によって発表された。調査は日本を含む27カ国で7月に実施され、一般の人 1万1,077人、心臓病のリスクのある人 2,727人、プライマリーケアに従事している内科医 2,672人が対象となった。

 調査によると、日本を含む27カ国平均で58%の医師が腹部脂肪(腹腔内脂肪)を心臓病の重大なリスク因子と認識し、腹部脂肪を判断するためにウエスト周囲径を測っている医師は55%に上った。

 一方で日本では、腹部脂肪と心臓病の関連について認識している医師は38%で、患者のウエスト周囲径を測っている医師は26%にとどまった。一般の人では、ウエスト周囲径を測定することで体のどの部分が体重に影響しているかに注目する人は1%で、体重計で体重を測っている人が62%なのに比べ認知が進んでいないことが示された。

 心血管疾患は、世界中で死因の上位を占めており、世界で全死亡の約3分の1にあたる1,700万人が年間に亡くなっている。日本では毎年28万人(全死亡の4分の1以上)が心臓病や脳卒中を原因に亡くなっており増加傾向にある。腹部脂肪や2型糖尿病患者の増加が影響していると考えられている。

 腹部脂肪は、コレステロール値の異常、インスリン抵抗性、2型糖尿病、高血圧など、心臓病や脳卒中につながる複数のリスク因子の発生に関連している。腹部脂肪を判定するために、ウエスト周囲径の測定は、BMI(肥満指数)よりも適切であると考えられ、心臓病やその他の血管疾患、2型糖尿病などの病気を発症するリスクが高い人を特定する実用的な方法といわれている。日本でのウエスト周囲径の指標は男性85cm以上、女性90cm以上。

詳細は世界心臓連合のサイトへ(PDFファイル/ニュースリリース)

[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

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