ニュース

2007年02月26日

東北大学 膵島移植プロジェクトが始動

キーワード
医療の進歩
 東北大学膵島移植プロジェクトのホームページが開設された。
 膵島移植は、血糖コントロールが難しい1型糖尿病患者にとって有効な治療法であり、臓器移植に比べ安全性が高く、治療に伴う苦痛がほとんどないといわれている。海外や日本で本格的に臨床応用が始められた新しい治療法。

 東北大学は、2年間に技術や設備などさまざまな角度から準備を進め、高度な膵島移植の医療を目指している。治療の対象となるのは、重症の低血糖を起こしたり、血糖コントロールが困難な1型糖尿病患者。

 東北大学先進医工学研究機構の支援を得て、膵島移植チームが結成され、心停止下での膵島移植に耐えられる独自の膵島移植法を開発した。海外の医療機関で300例以上の膵島分離を手がけたメンバーのいる医療チームの経験を活かし、昨年12月と今年1月に移植を成功させた。

 膵島を集める方法が進歩し、2-3人のドナー(提供者)から膵島を集めることで必要な量の膵島を移植することができるようになり、成功例が増えているという。


膵島移植の登録方法
 膵島移植を希望する人は、膵島移植の適応基準を満たしていることを確かめた上で、申請書を出す必要がある。上記ホームページで登録までの手順が詳しく解説されている。
» 東北大学における膵島移植の流れ
» 問合せ方法

 膵島移植は高度な技術が必要となる先進医療であり、日本で膵島移植を実施できる施設は7つしか認められていない。東北大学では、新しい先端医療の発展に取り組むため、また患者の医療費の負担にも配慮し、保健が適応されるまでの間、病院負担で患者の治療を行うことも考えているという。
膵島移植 1型糖尿病根治への可能性
 膵島移植は、膵臓から血糖の調節に重要な役割を果たしている膵ランゲルハンス島のみを取り出して移植する新しい治療法で、1970年代に米国で開始された。

 2000年にカナダのアルバータ大学で実施された「エドモントンプロトコール」で、良好な治療成績が報告され、1型糖尿病の治療法として注目されるようになった。

 1型糖尿病の患者の中には、何らかの理由で強化インスリン療法による血糖コントロールが難しく、低血糖が多く起こったり、合併症が進行してしまうケースがある。

 このときに移植を受けた患者らは、脳死ドナーから分離した膵島組織の提供を受け、全員がインスリン注射の必要がなくなった。その後インスリン注射が不要となった割合は、3年間でおよそ24%、5年間で10%になったが、多くで移植前のような低血糖を抑えられるようになり、血糖コントロールが飛躍的に改善した。この研究の成果は世界中で注目され、膵島移植に対する関心が一気に高まった。

 日本での膵島移植は、東北大学病院で今年1月に行われた移植を合わせると16例になる。

参考:膵・膵島移植研究会・膵島移植班ホームページ  http://square.umin.ac.jp/JITR/
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

play_circle_filled 記事の二次利用について

このページの
TOPへ ▲