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2007年04月04日

小児1型糖尿病の治療 5年間で質が向上

 小児1型糖尿病の治療は、医療機関での集中治療が定着したため、以前より質が良くなっているという米国での研究報告が、医学誌「Journal of Pediatrics」3月号に掲載された。

 この研究は、ハーバード大学公衆衛生学部やジョスリン糖尿病センターの研究者らが行ったもの。1997年と2002年に始めた2つのコホート研究で、それぞれ299人と152人の小児の1型糖尿病患者を対象に2年間追跡し、調査結果を比較した。

 HbA1c、低血糖の頻度、BMI(肥満指数)、入院や緊急治療の受診回数などを比べた結果、血糖コントロールの改善がみられ、深刻な低血糖の発現率は2002年に登録された患者では半分近くに減ったことが分かった。さらに救急治療の受診も25%少なかった。

 2002年ではHbA1cは8.7%(1997年は9.0%)、低血糖の発現率は29.4(55.4)、1日4回の血糖測定を行っている患者は72%(39%)と、いずれも改善していた。

 研究者らは、「多種類のインスリン製剤が治療に使われるようになったこと、インスリン以外の治療薬も使われるようになったこと、血糖自己測定の改善、インスリンポンプを使ったCSIIの実施」などが改善の要因と指摘している。

Journal of Pediatrics, 2007; 150: p279-285.

詳しくは「Journal of Pediatrics」のサイトへ(英文・要約)
インスリンポンプに関する詳しい情報は下記サイトをご覧ください。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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