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2007年04月17日

メタボリックシンドロームの発症リスクを数値判定するシステムを開発 日立など

東京慈恵会医科大学総合健診・予防医学センターなどと共同開発

 日立メディコは、血液検査の結果や生活習慣などを入力すると、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症の各疾病)の発症リスクを数値で判定するシステム「生活習慣病リスクシミュレーション」を開発し、4月から発売した。

 東京慈恵会医科大学総合健診・予防医学センター、国立大学法人東京工業大学像情報工学研究施設、日立健康管理センタ、日立製作所中央研究所、日立メディコで共同で判定ソフトを開発し、一部は経済産業省「平成14年度情報経済基盤整備」事業の研究委託により実施した。

 同社の健診システム「ヘルゼアネオ」の追加する機能で、来年4月から始まる特定健診・特定保健指導に対応している。

IT(情報技術)を活用した効率的な保健指導

 2008年4月からメタボリックシンドロームの概念を導入した健診と保健指導が義務づけられ、生活習慣の改善に向けた効果的な保健指導が求められる。40歳から74歳でメタボリックシンドロームが強く疑われる者または予備群と考えられる人は約1,960万人と推定されるが、保健師の数は約4万6,000人というのが現実だ。そこで、IT(情報技術)を活用して効率的に保健指導を行うことが重要になる。
  1. 東京慈恵会医科大学総合健診・予防医学センター、日立健康管理センタで蓄積した約2万人(10万件)の検査結果や生活習慣約50項目を分析し、指導に重要な19項目を抽出。これらの項目の過去の健診データと保健指導対象者の健診結果とを照合し、過去に同じような人がどの程度の割合で生活習慣病を発症したかを表示する。

  2. 生活習慣を改善した場合に、どの程度リスクが軽減されるかを表示。保健指導対象者に対して、いま何をすればもっとも効果的にリスクを軽減させることができるかを分かりやすく説明することができる。

  3. システムを導入した施設の検査結果や生活習慣の問診結果を蓄積し、分析を行うことで地域性や対象者別の特異性も加味することができる。施設ごとにより具体的な保健指導を実施することが可能。

  4. メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧、高脂血症の各疾病リスクを一画面上で同時に表示するので、効率的な保健指導の一助となる。
「生活習慣病リスクシミュレーション」の特長

(1) 疾病別の発症リスク
 メタボリックシンドローム(予備群、発症者)と生活習慣病である糖尿病、高血圧、高脂血症の各発症リスクを表示させることで、保健指導対象者に対して生活習慣病予防の動機付けに役立つ。

(2) 推奨改善項目
 生活習慣に関する問診項目の中でもっともリスクを高めている項目を表示し、何を改善すれば効果的にメタボリックシンドロームや生活習慣病のリスクを軽減させられるかを表示する。

(3) 健康者と比較した場合のリスク
 健康者と比較して、どの位リスク(倍率)が高いかを表示することで、生活習慣病予防への意識を高める。

(4) 推奨改善項目押下時の再計算リスク表示
 最もリスクを高めている生活習慣を変えた場合にどのくらいリスクが軽減されていたかを表示する。具体的な改善内容と生活習慣病予防への意識を高められる。


詳しくは(株)日立メディコのサイトへ(プレスリリース 2月12日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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