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2007年06月26日

肥満患者のための特別救急車 カナダ・カルガリー市

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 カナダのアルバータ州カルガリー市で、緊急医療を必要とする肥満患者の安全を確保し、緊急隊員の負傷事故を防ぐため、肥満者対策を施した特別な救急車を同国で初めて導入すると発表した。

 「肥満対応チーム」と呼ばれる救急隊が対象とするのは、体重が181キログラム(400ポンド)以上の高度な肥満のある患者。移動を行いやすくする空気マットレスやリフトなど特別な機器を搭載した。改良にかかった費用は3万カナダドル(約350万円)。

 カナダ政府の調査によると、2004年の同国の成人のうちBMI(肥満指数)が30以上の肥満者の割合は23.1%(およそ550万人)。BMIが25以上の過体重の該当者の割合は36%。成人人口の6割が肥満か過体重という計算になる。また子供と若者の肥満も増えており、2歳から17歳の子供の26%が過体重で8%が肥満だった。

 肥満の増加とともに2型糖尿病も増えている。1996年から97年の調査で、カナダの12歳以上の糖尿病患者数は120万人から140万人と推定された。有病率は4.9%から5.8%。

 肥満は2型糖尿病、心筋梗塞、動脈硬化症などの発症率を高める要因となり、肥満の急増は医療制度に深刻な影響をもたらす。1997年のカナダの肥満に関わる医療費は、18億ドル(約2,100億円)と推定されている。

カナダ保健省「カナダの糖尿病」(英文)
アルバータ州カルガリー市のリリース(英文)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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