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2007年08月22日

子供はハンバーガー・チェーン店のロゴ入り食品が好き

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 3〜5歳の子供の多くが、ファーストフード・チェーン店の包装紙で包んだハンバーガーなどを好む傾向があり、食品の内容よりも包装紙のロゴ表示に影響され選んでいる可能性があるという研究結果が米国で発表され、話題を呼んでいる。

 この研究は、米スタンフォード大学医学部小児科学のThomas Robinson助教授らによるもので、米医学誌「Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine(小児・若年医学)」8月号に掲載された。

 3歳から5歳の子供63人を対象に、ファーストフード・チェーン店のハンバーガー、ポテト、チキンナゲット、食料品店で購入した牛乳などを用い、チェーン店のロゴが入った包装紙で包んだものと、そうでないものの2種類を試食させた。

 聞き取り調査を行ったところ、チェーン店の包装紙を用いた食品のほうが、中身は同じにもかかわらず、おいしいと感じると答えた子供が多かった。

 また、ファーストフード・チェーン店を週1回以上利用する子供が3分の1で、利用回数が多いほどロゴ入りの包装紙で包んだハンバーガーなどを好む傾向があることもわかった。

 ファーストフードなどの子供向けの広告費用は、1年に100億ドル(およそ1兆1,000億円)に上るという。こうした広告や食品の包装に表示されるブランドの表示は明るい色や、親しみやすい漫画キャラクターなどを使い、子供にもおぼえやすくしたものが多い。

 研究者らは、以前に行った研究でテレビ広告が子供の嗜好に強く影響することを確かめており、こうした子供向けの宣伝や表示について検証する必要があると指摘している。

 米国のファーストフード・チェーンを展開する食品会社もこの問題を重視しており、昨年12月に大手9社が共同で子供向けの広告を減らしたり、子供がより健康的な食品を選べるような内容に変更するなどの対策を発表した。

Arch Pediatr Adolesc Med. 2007; 161: 792-797.

詳しくは「Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine」のサイトへ(英文)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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