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2007年10月08日

[徳島] 阿波踊り体操と出前講座で糖尿病にチャレンジ

徳島県は1993年以来、糖尿病による死亡率が全国で最も高いワースト1位を14年間続けている。県は2005年11月に「糖尿病緊急事態宣言」を出した。

 徳島県の「県民健康・栄養調査」(2003年)によると、「糖尿病が強く疑われる人」と「可能性を否定できない人」を合わせた40歳以上の人は約11万7,000人。県民の4人に1人が糖尿病が疑われる計算になる。全国平均の6人に1人に比べ高い比率だ。

 糖尿病が増えた要因は、太りすぎ、運動不足、食べすぎ。県の調査によると、糖尿病が疑われる人のなかで、BMI(肥満指数)が25以上の肥満の割合は47.4%(全国平均は23.4%)、上半身肥満の疑いのある人は40.4%(19.1%)と、いずれも高い比率だった。

 県民平均の1日の歩行数も、全国平均の7,103歩より1,400少ない5,634歩。県民の糖質性食品の摂取を調べたところ、炭水化物、果物類、いも類の摂取量が目立って多かった。

糖尿病予防大作戦 保健師らが出前講座
ホームページで栄養バランスやエネルギー量を考えた食事献立を紹介
 徳島市は、糖尿病対策の一環として「糖尿病予防大作戦」を開始した。「糖尿病予防大作戦」と表示したステッカーを作成し市民に配布、啓発を図る。

 市の保健センターの保健師や栄養士らが「出前講座」を行い、腹囲径(ウエストサイズ)、血圧、血糖値などをはかり、食事のエネルギー摂取量の計算方法などを指導する。

 さらに、40歳以上の市民を対象に7月から10月に実施した基本健康診査の結果を基に、糖尿病予備群をはじきだし、センターから手紙を送付。来年2月にかけて市内を巡回し、保健師や栄養士が個別に指導する。

阿波踊り体操で糖尿病対策
 糖尿病などの予防対策として、徳島県が考案した「阿波踊り体操」が好評で、県外にも広まっている。

 子供から大人まで楽しく運動してもらう手段はないかと着目したのが、徳島の伝統芸能である阿波踊りだった。徳島大学大学開放実践センターの田中俊夫教授(体育学)に構成を依頼、2005年12月に阿波踊り体操が誕生した。

 踊りの基本的な動作を取り入れ、軽快なメロディーに合わせて、腰や手足のストレッチや筋力トレーニングができるようにした。3分半の所要時間に約20種類の運動を取り入れた。


「阿波踊り体操」のビデオ(徳島県ホームページより)
 指導員が保健や福祉施設などに出向いて手ほどきを施し、市民の健康づくりに役立てられている。県のホームページでも体操の模範演技のビデオを見ることができる。

 徳島以外にも四国の3県が糖尿病死亡率の全国上位入っている。同県以外でも愛好者の輪が広がっているという。

健康れしぴ【栄養】(徳島市ホームページ)
徳島市健康づくり計画「とくしま・えがお21」

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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