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2008年01月07日

中強度の運動でリスク解消 1日30分のウォーキングが効果的

キーワード
運動療法
 運動の強度はそれほどでなくても、毎日続けることで、メタボリックシンドロームの解消になるという研究が米国で発表された。
 1日に30分のウォーキングを週に6日続けるのは大変に有効だという。

 この研究は、米デューク大学(ノースカロライナ州)医療センターのジョアンナ・ジョンソン氏らが行ったもので、米医学誌「American Journal of Cardiology」12月15日号に発表された

 ウエスト周囲径が増え、高血圧、脂質異常(高中性脂肪、低HDLコレステロール)、高血糖といった危険因子のうち3つ以上が該当すると、メタボリックシンドロームと判定される。メタボリックシンドロームは心臓病、糖尿病、心筋梗塞や脳卒中の発症につながると考えられている。米国成人の4分の1がメタボリックシンドロームと推定される。

 研究では対象となった過体重の171人を3つのグループに分け、それぞれ次の運動プログラムを8カ月続けてもらった。

(1) 週に19km、3〜5日、30分から1時間かけて歩いたグループ
(2) 週に19km、ジョギングのペースで走いたグループ
(3) 週に32km、走ったグループ

 全てのグループで運動の効果がみられ、研究開始時に171人のうち41人がメタボリックシンドロームと判定されたが、8カ月の運動プログラムの終了時には、27人に減った。

 意外なことにメタボリックシンドロームの解消に有効だったのは(1)のグループの運動で、(3)の32kmを走るという激しい運動を続けたグループはもっとも成績が良かったが、(1)との差はわずかだったという。また、より強度の強い運動を短時間に行った(2)のグループでは、メタボリックシンドローム解消の効果はそれほどではなかった。

 研究者は「太り気味で検査値の高めの人は、1日に30分のウォーキングを週に6日続ければ改善できる」と話している。距離にすると週に19km(11マイル)程度になる。「運動は少しずつからでもまず始めてみて、毎日続けることで効果を得られる」と結論している。

American Journal of Cardiology, Vol.100(12), 2007, 1759-1766.

デューク大学のサイトへ(ニュースリリース/英文)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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