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2009年10月20日

ウォーキングに小型の歩数計 スマートで使いやすいタイプが続々

キーワード
運動療法
 ウォーキングは特に道具を必要とせず、どこでも手軽に始められる運動として人気がある。より快適に楽しく歩けることをうたった歩数計が多数登場している。

 ウォーキングは特別な道具を必要としない手軽さが魅力となる。靴を除けば必要な用具はなく、靴も特にウォーキング専用のものでなくても済む。しかし、「1日の歩数をあと1000歩増やそう」「余裕がある日は、1日1万歩を目指そう」といった目標のある人では、1日の歩数の合計を確かめられるとウォーキングへの意欲が向上し、達成できたときには格別の満足感を味わえる。
「カッコイイ、キレイ、コンパクト」になった歩数計
 歩数計を利用してきたのは主に中高年だったが、2008年4月に特定健診・特定保健指導が開始されたことで状況が一変した。ウォーキングに取り組む人が増え、30代の女性などこれまで関心のなかった層も持ち歩くようなった。歩数計の市場規模は3年前までは年間約300万台程度だったが、販売台数が急増し今年は1.5倍に拡大すると見込まれている。

 ポケットやカバンに入れても計測できるタイプ、カラーバリエーションをそろえたファッショナブルなタイプ、歩数の表示を大きくし見やすくしたタイプなど、これまでとは違う、付加価値をつけたものが続々と発売されている。携帯電話やデジタルプレーヤーに歩数計の機能をとりこんだ機種も発売され、利用の幅は広がっている。

 従来の歩数計はベルトなど腰につけるタイプが大半だった。これは計測するのに振り子を使っており、地面と水平でないと歩数をカウントできないためだ。現在の主流は振動板センサーを使う方式で、歩行時の上下動で起こる振動板の振れを感知する仕組みになっている。また、センサーを水平方向だけでなく垂直方向にも配し2軸にすることで、歩数計の状態に関係なく計測できるようになり、ポケットやカバンに入れて持ち歩くことができるようになった。

 1日の歩数とは別に、時間や距離を決めて歩数をカウントできる機能や、距離、消費したエネルギー量、脂肪燃焼量などの目安を表示する機能の付いた機種が出ている。センサーを2軸から3軸に増やし、ウォーキング以外の運動も記録できるようにしたタイプも登場した。

    糖尿病と歩数計
    糖尿病と歩数計
    糖尿病と歩数計
  • 8色のカラーをそろえた、一見して歩数計に見えないタイプ
    セイコースポーツライフ スリムスティック WZ820
    サイズ 幅 64.4×高さ 20.0×厚さ 8.9mm 重さ 15g メモリー 7日間 電池寿命 約8ヵ月
    実勢価格 4000円〜4800円

  • パソコンに接続し、データを転送できるタイプ
    オムロンヘルスカウンタ Walking style HJ-710IT
    サイズ 幅 47×高さ 73×厚さ 16mm 重さ 約37g メモリー 14日間 電池寿命 約6ヵ月
    実勢価格 4400〜5000円

  • 身体活動量(運動量)の単位「エクササイズ」も計算できるタイプ
    タニタ活動量計 カロリズム AM-120
    サイズ 幅 30×高さ 88×厚さ 13mm 重さ 約32g メモリー 7日間(週間エクササイズは12週間) 電池寿命 約9ヵ月(1日16時間作動した場合)
    実勢価格 8000円〜9500円
最近の歩数計で見かけるようになった「メッツ」と「エクササイズ」とは?
 厚生労働省は健康づくりのための身体活動量として「メッツ」と「エクササイズ」という概念を打ち出した。身体活動の強さを表す単位がメッツ。安静時を1メッツとして、軽めのウォーキングや自転車エルゴメーターなどの運動や生活活動を3メッツ、速歩や自転車、水中運動などは4メッツとしている。

 そして、メッツに実施時間をかけて算出するのがエクササイズ。メッツとエクササイズは、どんな運動をどれだけ行えば必要な量を満たすかを分かりやすくするために考案された。たとえば、普通歩行(3メッツ)を1時間行った場合は「3メッツ×1時間=3エクササイズ(メッツ・時)」となる。3メッツ以上の運動や身体活動を週に合計23エクササイズ以上行うことが勧められている。

 歩数計にメッツなどを計測できる機能を付け、ウォーキング以外の運動も推計する「活動量計」と銘打った製品も出ている。ただし、計測の仕方はメーカーによって異なるので、「歩行以外の運動にも対応している」という目安にして利用するのがよさそうだ。

健康づくりのための運動指針2006(エクササイズガイド2006)
厚生労働省:健康づくりのための運動指針2006(エクササイズガイド2006)

 普通歩行(20分)、自転車エルゴメーターを軽くこぐ(20分)、掃除(17分)、水泳(10分)といったように運動や生活活動をメニューで示し、「メッツ」(運動強度)と「エクササイズ」(メッツ・時)という単位で表した。これらを組み合わせ、1週間の合計が「23エクササイズ以上」にするのが目標となる。
 たとえば、1週間の運動メニューとして、バスを使わず駅から自宅まで徒歩(片道20分×5日=10)、昼休みの散歩(20分×3日=3)、水泳(40分×2日=8)、日曜日に子どもと遊ぶ(30分=2)という組合せであると、1週間の合計は23エクササイズになる。

運動施策の推進(厚生労働省)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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