ニュース
2010年07月09日
歩数計を利用しウォーキングへの意欲を向上 時間を決めずに楽しく続ける
- キーワード
- 運動療法
糖尿病患者が歩数計やそれに連動したホームページを活用し、歩数を記録していくと、運動への意欲が高められるという研究が、米ミシガン大学の医療・研究機関(UMHS)の研究者らによって発表された。目標を設定してウォーキングを続けることで、患者の満足度も高くなるという。
運動療法は糖尿病治療の有力な手段のひとつ。2型糖尿病の人では血糖コントロールが安定していれば、運動により血糖が下がるだけでなく、動脈硬化の予防、老化防止といった点でも効果であることが、さまざまな研究で分かっている。しかし、運動を楽しく続ける効果的な方法を調べた研究は多くな
歩数計を持ち歩数を数えると運動は楽しくなる
研究に参加した35人の2型糖尿病患者は、過体重でこれまで運動をする習慣がなかったが、ウォーキング・プログラムを始めることに意欲的だった。参加した患者全員に、歩数計を身につけてウォーキングに取り組んでもらった。その日のウォーキングの歩数を全てカウントするグループと、10分以上のウォーキングをしたときだけカウントするグループの2つに分け比較した。
1日のウォーキングの歩数を全てカウントするグループではウォーキングの時間を増やすことを目標にし、10分以上のウォーキングのときだけカウントするグループでは、短い時間に速歩で歩数を増やすことを目標にした。
研究では、USBポートで端末につなぐと記録された歩数がインターネットで転送されるタイプの歩数計が使用された。参加者の個人ホームページも設け、毎日の歩数や目標を確認できようにし、その日の感想なども書きこめるようした。前の週にそれぞれ目標を設けその達成度も調べた。1日の歩数の目標値は、歩数を全てカウントするグループでは数値を多めに設定した。
その結果、両グループの参加者の歩数が大きく増加する傾向がみられた。30人の患者で1回のウォーキングが10分以上続くようになり、1日の歩数が1900歩から2700歩増えた。
1日の中でウォーキングの時間を増やすのがコツ
歩数計を持ち歩くことで、両方のグループで1日の歩数の合計が増加した。「両グループで歩く時間が増え、長い距離を歩くようになっていた。1日のうちに30分の空いた時間をみつけて歩いてみたり、エレベータを使わずに階段を足を使って昇降することで、歩数を増やすことができる」とミシガン大学医学部准教授のキャロライン・リチャードソン氏(家庭医学)は話[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
運動療法の関連記事
- 座ったままの時間が長いと糖尿病や死亡のリスクが上昇 ウォーキングなどの運動はいつ行うと良い?
- 気候変動による気温上昇が糖尿病リスクを高める エアコンを効果的に使い高温によるリスクを減少
- 子供の頃から肥満対策が必要 学校で座りっぱなしの時間が減ると子供の肥満は改善 糖尿病を予防
- 糖尿病にきく運動 ウォーキングと筋トレを組み合わせると効果的 メンタルヘルス改善にも役立つ
- 糖尿病とともに生きる人の寿命は延びている 自分らしく長生き いますぐ取り組むべき「8つの生活スタイル」
- 糖尿病の人にはストレス対処法が必要 「マインドフルネス」がストレスや燃え尽き症候群から守る
- 健康的な食事が老化を遅らせ認知症リスクを低下 運動も効果的 糖尿病の人は認知症リスクが高い
- 「温泉」が腸内細菌に良い影響 九州大学が泉質によって異なる健康効果を発見 糖尿病の人にも温泉療法は良い
- 「歩数計・活動量計」を持ち歩いて糖尿病を改善 簡単な方法で身体活動を高められる 高齢者の介護予防にも有用
- 運動でメンタルヘルスを改善 すべての運動にうつ病を軽減する効果が ウォーキング・ヨガ・ダンス・筋トレを調査